山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2013年8月5日

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 しかし、欧米諸国は都合の良い勝手なルールを決めながら、コンフリクトミネラルを扱い始めている。鉱物にタグシステムを添付してトレーサビリティーを明確にする方法が数年前から進められている。タグシステムとは、採掘された鉱石のロットに直接タグを添付して原産地表示を義務化するシステムだが、この制度を維持運営するためには、かなりのコストがかかる。そのコストは当然ながら製品に跳ね返ってくるから、消費者が負担することになる。

 そのコストが実際にアフリカの恵まれない若年労働者や鉱山の正常化に役立つのなら理解もできるが、実際にはシステム運営をしている欧米の監査機関などの組織が潤う結果になっている。「反政府軍組織が得ていた利益が欧米の組織に入っているだけ。本当にアフリカを助けるのなら、監査機関にかかるコストを、はじめからアフリカへの支援金に回した方がよほど安上がりだ」と嘆く関係者もいた。

 日本企業は現場を知らずに米国の決めた国内法に抵触するのではないかと大袈裟に考えてコンフリクトミネラルを扱うことを避けている。いくらTICADで高邁な理想を掲げてもアフリカとの実取引が増えない限り、アフリカ開発は机上の空論で終わるのではないだろうか。改めて現場・現物・現実の「三現主義」の重要性を訴えたい。

 日本はタンタルもタングステンも錫も大量に消費しているが、直接輸入はほとんどない。最近は欧米の精錬業者が日本や中国に売り込みに来ている。難易度は高いが、我々もレアメタルをアフリカから開発輸入するのが私の使命なのかもしれないと思っている。

◆WEDGE2013年8月号より

 

 

 

 

 

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