2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年9月2日

 8月6日付米Washington Times紙にて、地勢戦略家のBrahma Chellaney在ニューデリー政策研究センター教授は、中国は周辺国に対し、小さな行動を積み重ね、いつの間にか相手国が領土を失わざるを得ないような戦略をとっている、と述べています。

 すなわち、中国の好む国境戦略はサラミ戦術である。それは、小さな行動の積み重ねで、時間の経過と共に、中国に有利な戦略的環境に変化しているというものである。中国の戦略は、密かな侵略によって標的国の抑止計画を混乱させ、有効な対策をとることを難しくして、その国の選択肢を著しく制約することを狙うものである。

 中国は、行動を幾つかの部分に分け、それらを別々に追求し、最後には個別の部分が一体となるように上手く図っている。その結果、相手は不意をつかれ、どう対処して良いか分からなくなる。相手の抑止力を弱めるのみならず、開戦の責任を相手に負わせてしまうこともある。つまり、相手は損失を我慢するか、台頭する中国との危険な戦争に直面するかの選択を迫られる。

 中国の周辺諸国は、この忍び寄る、隠れた戦争を避ける方途を探るため、相互に、そして米国と連携することが必要かもしれない。

 中国の多方面にわたる行動が積み重なれば、アジアの力関係を基本的に変え、中国中心の地域を形成する可能性がある、と警告しています。

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 中国のサラミ戦術に有効に対処する方法は、先ずその戦術をよく認識することです。その意味で、この論説は重要です。


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