2022年12月4日(日)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2013年9月25日

»著者プロフィール
著者
閉じる

中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

 一方、オリンピック後の景気落ち込みも各国共通だ。図表2で分かるように、オリンピックの半年後位から景気は落ち込み、1年半ほどにわたって最大1%ほど潜在成長率を下回っている。

図表3:オリンピック前後におけるGDPギャップの推移(経済規模別)
拡大画像表示

 オリンピック前後の景気変動がすべてオリンピックによってもたらされたとは言えない。しかし、オリンピック時に好景気となり、その反動でオリンピック後に不景気が来るのは各国共通していて、来る東京オリンピックでも同様であろう。

 もっとも、景気変動は開催国共通でも、開催国の経済規模や成熟度でその度合は異なる。実際、経済規模が小さく、あるいは成長力がある国々ではオリンピック開催前後の変動は大きく、経済規模が大きい国々、あるいは経済が十分成熟している国々では変動は小さくなっている(図表3、4)。

図表4:オリンピック前後におけるGDPギャップの推移(主要国とその他国)
拡大画像表示

 同時に、経済規模が小さく、あるいは成長力がある国々では景気上振れ/下振れの期間は長く、経済規模が大きい、あるいは経済が十分成熟している国々では景気上振れ/下振れの期間は短いとの違いもある。

 これらは、成長途上にある国々ではオリンピックを開催するに当たって相対的により多くのインフラ建設が必要であり、同様に経済規模が小さい国ではオリンピック開催の経済負担が相対的に大きく、その分経済効果が大きく出るということで、理解しやすい。

編集部おすすめの関連記事

新着記事

»もっと見る