必死に日本人が残業して頑張り、日本でいいモノさえ作れれば、世界へ輸出して儲けることができるビジネスの時代は10年前に終わっている。
ITや電機産業では、既に東大工学部の最優秀卒業生の進路は外資に変わりつつある。
実は、グローバル企業を動かすのは超優秀な一握りの人材だ。世界的に使われるようになったフェイスブックはハーバード。グーグルはスタンフォード。日本の東京大、京都大のようなものと思っていては、大きな間違い。世界ランキングでは日本の大学はトップ50に入っていないのだから。
先日、英タイムズとトムソン・ロイターが発表した2013年のアジア大学ランキングによると、東大がかろうじて1位を取った。しかしながら、オープン性において失点。このままでは肉薄するシンガポール、香港等の大学に1位を取られるのは時間の問題である。
20年にあるべき産業ビジョンとトップ人材の育成は表裏の関係にある。戦略的にバイオ、エネルギーなど日本が世界トップレベルを保ちたい領域については、思い切って授業料を安くしてでも外国人を受け入れる。留学を国家が支援し、卒業後3年は日本企業で働くか、日本でベンチャー創業を行うことにするという条件を付けるだけでも、若い力が日本に集う。クールジャパンを活かす本当の道はここにあるのではないか。
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