中国メディアは何を報じているか

2013年11月11日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 この「383」報告とは習近平の経済政策のブレーンと目される中央財経領導小組弁公室(事務局の意:訳者)の劉鶴主任が参与して書かれたという報告書の略称である。10月初めに雑誌に掲載される形で発表されたが、この2週間ほど報道でも紹介されるに至り、18期3中全会でこの経済改革案が俎上に上るのではないか、との憶測がメディアを賑わせていた。この報告書に「物言い」をつけたのがこの論評だ。一体どういうことだろうか。18期3中全会でも白熱した議論が戦わされるであろう、問題の根源の一端を垣間見せるものだ。

* * *

【10月31日付 環球時報ネット版・抄訳】

 18期3中全会を直前に控え、国務院発展研究センターが公表した「383」改革案と、中央財経領導小組弁公室の劉鶴主任が昨年10月『比較』誌に発表した課題研究報告書『二度のグローバル危機の比較研究』がメディアで取り上げられ話題を呼んでいる。しかし、この背後には人々の改革案に対する期待と好奇心のほかにもっと複雑な要素が存在している。

盛り上がる極端な解釈と恣意的な解釈

 その中で一部の人たちが3中全会を前に世論へ影響を与え、民衆や政策決定者たちの考えを彼らが考える方向に誘導しようとしている可能性は排除できない。まさにそのために広く流布するようなこの2つの文章について、極端な解釈や選択的な恣意的解釈がある。

 極端な解釈というのは、「383」改革案報告書は単に国務院発展研究センターが3中全会のために提出した参考報告書の一つでしかなく、会議での唯一の参考資料でもなく、全体会議のメイン報告書などではないのだ。(にもかかわらず、唯一絶対の改革案と騒ぎ立てられている、と言いたのだろう:訳者)

 選択的な解釈というのは、10の結論と3つの提案で結論付けている劉鶴の文章を、メディアが新自由主義の嗜好に合致するよう結論の半分の部分だけを強調しているためである。ただ中国は(こうした考えに流されて?:訳者)致命的な過ちを繰り返すことはないだろう、と思っている。

 同時に民間資本、特に投機的な資本の規模はすでに相当膨大になっており、こうした背景において前述の極端な解釈や選択的解釈が熱狂的な盛り上がりを見せる。彼らはこうしたテーマにおいてでっち上げを行って裏で操作しようとしている。問題点をでっち上げることで功利的な動機と政治的陰謀が同調するわけだ。

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