2024年5月20日(月)

BBC News

2024年5月9日

米議会下院で、マイク・ジョンソン議長(共和党)をその座から降ろそうと、同党のマージョリー・テイラー・グリーン議員が解任動議を提出したが、この試みは8日、失敗に終わった。

グリーン氏は、ウクライナへの610億ドルの支援策をジョンソン氏が支持したのを受け、3月に同氏の解任を求めていた。

解任動議の先行きは不透明だったが、この日、グリーン氏は2日以内に採決を行うよう要求した。

すると、その解任動議を事実上無効にする議案が出された。すぐに投票にかけられ、359対43の賛成多数で可決された。下院で多数派の共和党だけでなく、民主党からも賛成票が投じられた。

ジョンソン氏は、これで「第118議会の特徴となっているパーソナリティー政治とくだらない人格攻撃が終わる」ことを望むと述べた。

グリーン氏による動議は、共和党の大統領候補になることが確実視されているドナルド・トランプ前大統領に対する珍しい反抗となった。トランプ氏はジョンソン議長への支持を表明しており、同議長を追い落とそうとする動きを「残念だ」と述べた。

議員らからブーイング

グリーン氏はこの日、議場で演説に立ち、ジョンソン氏について、上院で多数派の民主党と一連の妥協をしたと批判。

「私たちが選んだ共和党のマイク・ジョンソン議長は、民主党の課題を通過させ、共和党の能力と法案への影響力を制約することで、民主党とバイデン政権が私たちの国を破壊するのを手助けした」と訴えた。

議員らからは大きなブーイングが起きた。

結局、グリーン氏の動議を支持した共和党議員は、トーマス・マシー氏とポール・ゴーサー氏の2人だけだった。

トランプ氏が投稿で懸念

グリーン氏が演説したのと同じころ、トランプ氏は自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、共和党議員に対し、グリーン氏の解任動議に反対するよう呼びかけた。

トランプ氏は投稿の冒頭、「マージョリー・テイラー・グリーンのことは絶対的に愛している」と表明。だが、今はジョンソン氏を解任する時ではないと主張した。

そして、「不和を示せば混乱だと言われる。すべてに悪影響が及ぶ!」とし、ジョンソン氏は「懸命に努力している良い人」だと付け加えた(太文字は原文では大文字強調)。

共和党の議長を支援するという異例の措置をとった民主党は、ジョンソン氏が今週、グリーン氏と何度か会談したことを批判してきた。

ジョンソン氏は7日、会談は「交渉」ではないとし、共和党幹部らがグリーン氏の支持を得るために何らかの譲歩を検討しているわけではないと述べていた。

(英語記事 Marjorie Taylor Greene fails to remove House Speaker

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cg67wgwr37wo


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