2024年12月22日(日)

プーチンのロシア

2024年5月20日

 2024年5月16日、北京を訪問したロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が会談。中国との協力関係性を深めたい考えのロシア。一方で中国も前向きな姿勢を見せるものの、ウクライナ戦争に関する西側諸国からの非難がある中でどこまで踏み込むのか。
 プーチン大統領がロシア外交を進めるにあたり、どのような戦略をとっていくのか、今後も注目は高まる一方だが、意外なデータから友好度を測ってみると――。2024年1月17日に掲載した『数字で読み解くプーチン外交 どこへ秋波送っているか』を再掲する。

 ロシア軍によるウクライナへの大規模侵攻からまもなく2年。戦争終結への道筋が見えない中、プーチン政権は各国との外交関係を劇的に変化させている。戦争継続のためには、友好国との貿易促進や武器供給を受けることが不可欠。今後も外貨や物資が必要で、ロシアがどの国と関係強化を図っているのか?

5期目を迎えたロシアのプーチン大統領(右)は中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。外交戦略をどう読めばいいのか( Contributor / gettyimages)

 クレムリンの首脳外交の記録を基に各国との友好度を数字データで検証してみた。3つの指標の比較から、ロシアは伝統的な友好国や、独裁者がいる国々との関係を強化し、難局を乗り切ろうとしている姿が浮かび上がった。欧米主導の制裁網に対抗するため、新興5カ国(BRICS)ではブラジル、欧州ではハンガリー、旧ソ連諸国で構成する独立国家共同体(CIS)諸国ではウズベキスタンへの秋波を送り、切り崩しを図っている。

賀詞メッセージの単語数で分かる親密さ

 ロシア大統領府(クレムリン)は公式サイトで、プーチン大統領の日々の動静や公式声明の内容などを詳細に発表している。ロシア軍による人道犯罪が国際社会で非難を浴びる中で、プーチン氏がその包囲網を潜り抜け、どの国と活発な外交を繰り広げているかを調べた。

 ロシアが付き合う相手国やプーチン氏の交渉相手は大規模侵攻開始の2022年2月24日を境に大きく様変わりしている。アフリカ、アジア方面のグローバルサウス諸国への接近や、イラン、北朝鮮、ベラルーシなどの反欧米連合との関係強化の実態はその都度、報道ニュースで伝えられているが、今回示すデータは、その変化を裏打ちするものと言ってよい。

 一つ目のデータは、プーチン大統領が毎年12月30日に関係国へ送っている賀詞メッセージの単語数比較だ。当然、ロシアと親しい国々や関係重要国に向けたメッセージの単語数は多くなり、ただの新年あいさつだけでなく、首脳外交の成果や今後の期待を盛り込むなど内容も充実させている。

 年末の公式声明に賀詞を送る全ての国へのメッセージが掲載される形式で、内容を一つひとつの国ごとにわけている。侵攻開始前までは毎年、40カ国以上に送っていた。


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