11月米大統領選に向け、トランプ返り咲きへの警戒感が内外で高まる中、迎え撃つバイデン陣営が、「女性票獲得」で攻勢を強めている。もし、このままさらに支持が広がれば、勝算も十分見えてくるとの期待感がある。
増加する女性の有権者登録と大統領選への影響
近年、米大統領選における女性有権者の注目度はますます高まる一方だ。
女性と政治のかかわりを研究してきたニュージャージー州ラトガース大学「Center for American women and politics」の調査データによると、近年大統領選で有権者登録をした女性数はつねに男性を1000万人近くも上回っており、さらに、投票率でも1980年以降、女性が男性より平均3~4%高くなっている。
例えば、2020年大統領選では、女性有権者登録総数が8900万人超だったのに対し、男性は7930万人、投票率も女性有権者74.1%に対し、男性は71.2%にとどまった。しかし、大統領選以外の年の連邦議会、州知事選などでは、男性投票率が女性よりわずかに上回る傾向にある。
では、バイデン、トランプ両候補が争った20年大統領選結果に、女性票はどう反映されたのか。
まず、有効得票総数では、バイデン候補8128万3501票(51.3%)だったのに対し、トランプ候補7422万3975票(46.8%)で、その差は709万票と開き、バイデン当選につながった。
このうち男女別得票率を見ると、男性ではバイデン候補45%に対し、トランプ候補53%と、トランプ候補が8%も上回った。ところが、女性ではバイデン候補57%、トランプ候補42%と、逆にバイデン候補が大差をつけた格好となった。トランプ氏が16年大統領選で、女性票のうち47%を獲得して当選を果たしたのと対照的だった。