2024年6月25日(火)

バイデンのアメリカ

2024年4月12日

それでも底堅いトランプ支持

 一方、共和党系女性有権者の間では、いくつもの刑事事件と裁判を抱えるトランプ氏に対する支持は、以前からいささかも衰えを見せていない。

 「共和党の女性たち(Republican women)は、それなりの理由があってその政策や主張を支持しており、女性スキャンダルで騒がれているからといってトランプ氏への忠誠心が揺らぐことはいささかもあり得ない」――。保守系シンクタンクのひとつ「Public Religion Research Institute」のメリサ・デックマン事務局長は、英国「Guardian」紙とのインタビューで、こうしたグループの立場を明快に説明している。

 同女史によると、共和党大統領候補選びのこれまでの予備選において、トランプ候補に対する同党男女別投票率では、女性支持率が男性をつねに4~5%も上回ったほか、とくにニューハンプシャー州予備選では、女性対立候補だったニッキー・ヘイリー元国連大使に対する女性有権者の投票率が47%だったのに対し、トランプ候補が51%も獲得したこと自体、いかに女性有権者の間でトランプ支持が盤石であるかを示しているという。

 結局、その後の予備選をへて、ヘイリー候補は大統領選からの撤退をやむなくされ、トランプ氏の指名獲得が確実となった。

 共和党ストラテジストの一人として知られるリナ・シャー女史は、この間の事情について、同紙に対し、以下のように説明している:

 「共和党支持の女性たちは、候補者の男女を問わず、誰が自分たちの生活を守り、しかも誰が大統領本選で勝てるかをクールに見ている。経済政策に対する関心が最も高く、トランプ候補が直面する刑事事件の裁判は二の次に過ぎない。バイデン大統領ではなく、トランプ候補の再登場を支持するのは、前回大統領だった当時の経済状況が今より良かったことにも起因しているからだ。共和党は、中絶権問題で苦戦していることは事実だが、その一方で、同党女性活動家たちは、物価高など自分たちの暮らしにとってより切実な問題に焦点を当て有権者にアピールしている」

 さらにこうした共和党女性活動家グループは、ジル・バイデン大統領夫人を筆頭する民主党女性組織による攻勢を受け、全米規模で女性票掘り起こしに乗り出す構えを見せているだけに、今後、両党間の“女の戦い”も一段と熾烈化することが予想される。

 いずれにしても、今回の大統領選においては、党派を超え、女性有権者の意識と関心がとくに高まりを見せていることは明白であり、最終的にバイデン、トランプ両候補のいずれが勝利を収めるにせよ、女性たちのこれからの動向はますます目を離せなくなっている。

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