2024年4月15日(月)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2024年3月22日

 日本銀行は、3月19日に金融政策決定会合を開催し、その結果を公表するとともに、植田和男総裁が会見を行って、緩和政策の終了を宣言した。黒田東彦前総裁が2013年に実施し、その後もずっと継続していた「異次元緩和」政策は、ここに終了した。

植田日銀の大規模緩和の終了は米国でどのように見られているのか(ロイター/アフロ)

 このニュース、米国での扱いは限定的だ。まず、あまりにも専門的すぎて、一般ニュースにはなじまないので、扱っているのは基本的に経済ニュースが中心だ。

 その報道内容だが、現時点ではあまり鋭い論評というのは見られない。まず、17年にわたって利上げがされなかったという歴史、そしてこの間のデフレ経済の問題などが回顧的に説明されるだけ、という記事が多い。

米国にとって日本は「別世界」で「興味深い」事例

 説明としては、とにかく少子高齢化に直面し、消費マインドが極端に落ち込んだ日本では、企業の設備投資も意欲が減退しており、これに対するカンフル剤として徹底的な緩和政策が取られたというストーリーだ。米国の場合、金融を引き締めて自国通貨を強くし、世界中からの投資を呼び込むというのが「タカ派の金融政策」だとされている。反対に、金利を下げ、市中に流動性を供給するのは「ハト派」とされる。

 安倍晋三政権が当時の日銀の黒田東彦総裁と共に実施した、「アベノミクス第一の矢」、つまり「異次元緩和」というのは、米国的な視点から見れば「極端なハト派政策」ということが言える。その意味で、極端なハト派の金融政策が13年から11年も継続し、それでもハイパーインフレになることなく、反対にデフレ圧力と拮抗しつつ、そのデフレを何とか沈静化させたというのは、クロウト的には「興味深い成功例」ということになる。

 米国の場合は、特に20年以降のコロナ禍の中で、トランプ政権もバイデン政権も、巨額の資金を市中にバラマキをして、サービス業などコロナ禍でダメージを受けた業種を救済したり、公共投資により経済を刺激し続けたりした。これに対して、コロナの収束後は、市中に資金がダブつく中で異常な景気の加熱が続く中、極端なインフレという副作用を伴っている。


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