2024年6月16日(日)

BBC News

2024年5月22日

ノルウェー、アイルランド、スペインの3カ国は22日、パレスチナを国家として承認する方針を発表した。ノルウェーとスペインは28日までに承認するとしている。

パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスと戦闘を続けているイスラエルは、こうした動きを「ゆがんだ一歩」、「過激主義と不安定をあおる」と非難。ノルウェーとアイルランドから大使を呼び戻した。

パレスチナについては、国連加盟の少なくとも140カ国がすでに国家として承認している。一方、アメリカやイギリスなどは、パレスチナを正式に国家と認めていない。

3カ国の首相が表明

ノルウェーではヨーナス=ガール・ストーレ首相が、パレスチナを国家として承認すると発言。

ガザで続いている戦争によって、パレスチナ問題の解決は平和と安定が必要なことが「非常に明確に」なったとした。

そして、パレスチナを国家として認めることが、「二つの国家の平和と安全の中での共存」につながると主張。パレスチナ自治政府をもとにした「政治的にまとまりのある」国家の成立がゴールだとした。

また、「二国家解決」はイスラエルの「最善の利益」でもあるとの考えを示した。

一方、アイルランドでも、サイモン・ハリス首相がパレスチナ国家を承認すると述べた。

ハリス氏は、「ガザではパレスチナ人が最もおぞましい出来事、苦難、困難、飢餓に耐えている」、「想像を絶する人道的大惨事が、リアルタイムで進行している」と指摘。

「永続的な平和は、自由な民衆の自由な意思に基づいてのみ確実にできる」とし、「二国家解決」が和平への「唯一の信頼できる道」だと訴えた。

また、「オスロ合意から30年が経過した今、我々は恐らく、公正で持続可能かつ包括的な和平解決からかつてないほど遠ざかっている」と主張。「正しいことをする」決定は「無期限」に待たされるべきではないと述べた。

スペインでは、ペドロ・サンチェス首相が議会で、28日にパレスチナ国家を承認すると発表した。議員らからは大きな拍手が沸き起こった。

サンチェス氏は、「私たちは多くの理由からパレスチナを承認するが、三つの言葉にまとめることができる。平和、正義、一貫性だ」と説明。「『二国家解決』が尊重され、安全が相互に保証されなければならない」と主張した。

そして、「双方が和平のために交渉することが不可欠であり、そのために私たちはパレスチナを承認する」と述べた。

サンチェス氏はさらに、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相について、「いまだに耳を貸しそうとしない。(中略)いまだに病院や学校を爆撃し、女性や子どもたちを飢えと寒さで苦しめている」と批判した。

そのうえで、「二国家解決」は危機に瀕しており、「私たちはこれを許すことはできない。私たちには行動する義務がある。パレスチナにおいても、ウクライナと同様、ダブルスタンダードは許されない」と訴えた。

また、「この承認は、イスラエルへの反対ではなく、ユダヤ人への反対でもない」、「ハマスを利すると言われているが、そうではない。この承認は誰に対する反対でもなく、平和と共存を支持するものだ」とした。

一方、イスラエルのイスラエル・カッツ外相は、「イスラエルはこの件を黙って見過ごすつもりはない。深刻な結果を招くだろう」と述べた。

(英語記事 Ireland, Norway, and Spain to recognise Palestinian state next week

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cd11dglngmxo


新着記事

»もっと見る