2024年5月4日(土)

ペットビジネス最前線

2013年12月24日

 遺伝疾患は生まれてすぐに確認できるものもありますが、成長するに従って徐々に蝕まれるものもあります。業として長年繁殖を行っている専門家でさえ、この遺伝疾患の問題は避けて通ることができません。

 特に今国内で流通しているペットたちの遺伝子情報は非開示状態ですので、「適正な繁殖行為」自体に無理があります。つまりペット同士の繁殖は危険だということです。そんなリスクを背負ってでも子どもを作りたいと思うのでしょうか?

 迎え入れた子を、適切な時期に避妊去勢を行い、天寿を全うするまでの良い時間を共有すること。まずはそれで十分なのではないでしょうか。

 さて、飼い主としてあなたはどの位自信がありますか? そしてどれだけの責任を動物の命に対して果たすことができますか?

 もし少しでも“たかが動物に御大層な”という気持ちがあるのであれば、また、誰かがほしいというから仕方がなくという状況なのであれば、無理に飼い主にならないでください。

 人は動物を通して“命”を認識しその扱いを学びます。世の中で起こっている動物問題といわれるものは、全て人間の心の問題です。

 純粋に今を生きているの動物の姿は、満たされていない人間の心を慰めてもくれますが、満たされていない邪な心のはけ口にもなってしまいます。

 動物にも感情があり、痛みも感じ、不快も表現し、いざとなると抵抗もします。動物を崇め奉れとも、動物中心に生活すべきとも思いません。命あるものを当たり前に扱うということを思い出してほしいだけなのです。お互いを理解し良い時間を共有する、たったそれだけのことなのです。


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