2024年11月22日(金)

ペットビジネス最前線

2013年12月24日

 ペットが愛玩動物と呼ばれ、かけがえのない存在という意識が高まったこと、ペットの生産・流通などの現状が多方面から発信されたことで、近年この活動が広まってきました。

 この条文に基づき各地方行政では、様々な事情で収容されている犬や猫に新しい家族を見つける機会を増やす取り組みが進められています。収容施設以外にも、地域の動物保護団体との連携で数多くの譲渡会が行われ、約5年前から殺処分数が減少しているのは喜ばしい状況と考えます。

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

 保護されている犬や猫は幼齢の場合もありますが、その多くは成長した個体です。性格や健康状態がよく分かっている場合が多く、自分の家族として適切かどうかの判断は、未確定要素の多い幼齢な個体よりもつきやすいと言えます。また譲渡会では飼い主となる練習と相性を確かめるため、トライアルという期間を経て譲渡するのが通例となっています。出会って、惹かれて、生活をして確かめ合う。家族を迎え入れる儀式としてはまさに理想的と言えるのではないでしょうか。

外の世界へ連れ出すための準備

【良い飼い主と認められるために】(第二十五条:周辺の生活環境の保全等に関わる措置)

 さて、無事に新しい家族を迎え入れることができました。暫くはお互いに気を遣いながらの新生活のスタートです。少しずつ環境に慣れ、コミュニケーションもとれ始めると、動物との生活が自分にとって当たり前に感じられるようになってきます。ウサギ・ネズミなどの小動物や猫のように家庭だけが家族として共有する世界という生活ならば、あとは健康面や物理的な環境を整えてあげることで動物との生活は満喫できます。なので、あまり他人への気遣いは必要ないかもしれません。

 これが犬となった場合、家庭の外でのコニュニティも共有することになります。たとえば毎日の散歩。

 犬の散歩をしてみると、近隣にこんなにも犬を飼っている人が居たんだなぁと感じるものです。

 また、散歩コースの地面に落ちている物に気が付くようになります。吸殻やお菓子の袋、粗相をした残り物等「もしうちの子が食べてしまったら」、危険な結果を招きかねないものも落ちています。

 割れたガラス瓶などは裸足で歩いている犬にとって怪我のもとです。さらに、散歩で出会う他の犬の飼い主さんたち。「ほらお友達~」などといきなり自分の犬を近づけてきたり、ノーリードで道を歩いていたり、粗相した後始末をしなかったり、他人の家の塀にマーキングさせたり、中には「しつけ」や犬種についての持論を長時間解説する親切な方まで、様々な出会いに驚いたり時には腹が立ったりする場面も。外の世界は自分だけではなく他の飼い主や近隣住人との共有の場であり、モラルが試される場でもあります。他人に迷惑と感じさせる事柄をまとめて「周辺の生活環境」とするならば、そのまっただ中へ愛する家族を連れ出すためには準備が必要です。


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