ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州ゾーリンゲンで23日午後10時ごろ、刃物を持った男が人々を襲い、3人が死亡し、4人が重傷を負った。現地警察が発表した。
襲撃事件は、ゾーリンゲン市中心部でフェスティバルが開催される中で起きた。犯人は逃走中という。
男は通行人を無差別に刺したと、ドイツ紙ビルトのオンライン版は報じている。複数の警察ヘリコプターが上空で旋回する様子が目撃されるなど、大規模な捜索が行われている。
工業都市のゾーリンゲンはこの日、市政650周年を祝っていた。
事件を受けて、祝賀行事は中止された。
地元紙ゾーリンガー・ターゲブラットのビョルン・ボッホ副編集長は、祝賀行事は「3日間続く予定で、街には毎晩2万5000人が集まると予想していた」とBBCに語った。
「街は人でごった返して」おり、23日の無料イベントには推定「数千人」が集まっていたのだと、ボッホ氏は話した。
警察は非常線を張り、市政府はフロンホフ市場周辺から離れるよう市民に求めた。
複数メディアは、救急隊員が現場で負傷者を手当てしているのが目撃されたと伝えた。
ビルドによると、警察はその後、容疑者捜索のため戦術車両40台を配備した。
これらの車両は特殊任部部隊（SEK）の警官が指揮している。
複数の道路が封鎖され、住民は犯人の捜索が続く間は屋内にとどまるよう求められている。
「みんなショック」
フェスティバル主催者の一人フィリップ・ミュラー氏は、救急隊員が9人の命を助けようと奮闘していたと語ったと、ゾーリンガー・ターゲブラットは報じた。
「みんなショックを受けているが、落ち着いて広場を後にした」と、ミュラー氏は述べたという。
目撃者の一人は、ステージ上にいた歌手が奇妙な表情をしているのを見て、何かがおかしいと思ったと、同紙に語った。「そしたら、自分の1メートル先で人が倒れた」。
ドイツ・メディアによると、犯人は被害者の首を故意に刺したとみられている。
ドイツ誌シュピーゲルのオンライン版が報じたところによると、地元警察のアレクサンダー・クレスタ報道官は多数の目撃者から話を聞いた結果、「我々は現在、単独犯によるものとみている」と語った。
ゾーリンゲン市のティム・クルツバッハ市長は、「今夜、ゾーリンゲンにいる私たち全員が衝撃と恐怖、そして大きな悲しみに包まれている。私たちは皆、街の記念日を一緒に祝いたかったのに、今は死者と負傷者のことを悲しまなければならない」とフェイスブックに投稿した。
「この街で襲撃事件が起きたことに胸が張り裂ける思いだ。私たちが失った人たちのことを思うと涙があふれてくる。今も彼らの命のために闘っている人たちのために祈ります。そして、このような経験をしなければならなかったすべての人に、最大のお悔やみを申し上げます。恐ろしい光景だったに違いない」
ゾーリンゲンは鉄鋼業が有名で、人口は約16万人。デュッセルドルフの東約25キロ、ケルンの北東約25キロに位置する。
