2024年8月24日(土)

BBC News

2024年8月24日

アメリカ大統領選に無所属候補として出馬していたロバート・F・ケネディー氏(70)が23日、撤退を発表し、共和党のドナルド・トランプ候補を支持すると表明した。ケネディー氏はかつては、大統領だった伯父や上院議員だった父をはじめ一族と同様、民主党支持者だった。

アリゾナ州で記者会見したケネディー氏は、民主党が「戦争と検閲と汚職と大手製薬会社と大手IT企業と大手金融」の政党になってしまったと批判。民主党を離れることになった政治理念をもとに「トランプ大統領を支持する」しかなかったと説明。

さらにケネディー氏は、トランプ候補がロシアと交渉してウクライナでの戦争をただちに終わらせられると主張している「その一点をとっても、私は彼を支持する」と主張した。

そのうえで、自分が候補として残ることがトランプ候補にとって不利になる約10カ所の州で立候補を取り下げると述べた。

ただし、ミシガン、ネヴァダ、ウィスコンシンといった激戦州の候補者名簿から名前を外すには、もはや遅すぎると各地の選管はAP通信に話している。

ケネディー氏の撤退を受けて、ネヴァダ州ラスヴェガスで選挙運動をしていたトランプ候補は、ケネディー氏から「すてきな支持」を受けたと述べたほか、アリゾナ州グレンデールの集会ではケネディー氏を壇上に迎え「素晴らしい」人だとたたえた。

民主党のカマラ・ハリス大統領候補は、ケネディー氏に投票するつもりだった有権者の支持を自分が獲得できるよう、努力すると述べた。

ケネディー氏はこの日の記者会見で、ハリス副大統領の選挙陣営に参加したい意向を伝えていたのだと明らかにした。

ケネディー氏の支持率は絶頂期で14~16%だったが、ハリス副大統領が民主党候補になって以来、ケネディー氏の支持率はひとケタ台で低迷していた。

民主党全国委員会のメアリー・ベス・ケイヒル上級顧問は、ケネディー氏の動きについて「ドナルド・トランプへの支持が増えるわけではなく、むしろ(トランプ候補は)だめになった泡沫候補のお荷物を引き受けることになる」と一蹴した。

ケネディー氏の妹、ケリー・ケネディー氏は他のきょうだいを代表して、兄がトランプ候補を支持することは「私たちの父親と家族が何より大事にする信念を裏切るものだ。悲しい物語の悲しい結末だ」とコメントした。

ケネディー氏はこのところ、2014年10月にニューヨーク市内のセントラル・パークで発見された子熊の死体について、あれは自分が別の場所で発見して「冗談」として公園に放置したのだと明らかにして、ニューヨーク市民など大勢を驚かせていた。また昨年夏には、新型コロナウィルスが「白人と黒人を攻撃するよう、人種を標的に調整された」ものだと主張し、批判された。

今年5月には米紙ニューヨーク・タイムズがケネディー氏について、脳内に入った寄生虫が脳の一部を食べたと2012年に主張していたと報じた。

(英語記事 Robert F Kennedy Jr suspends campaign and backs Trump

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cy9en9yynp9o


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