11月のアメリカ大統領選に向けた民主党の全国党大会が22日に終わり、大統領候補となったカマラ・ハリス副大統領は「すべてのアメリカ人の大統領になる」と表明する一方、共和党のドナルド・トランプ候補を再選させることはアメリカの民主主義にとって非常に危険だと警告した。
他方、23日には無所属候補として出馬していたロバート・F・ケネディー氏が撤退を発表し、トランプ候補を支持すると表明した。ケネディー氏はかつては、大統領だった伯父や上院議員だった父をはじめ一族と同様、民主党支持者だった。
ケネディー氏は、自分が候補として残ることがトランプ候補にとって不利になる約10カ所の州で立候補を取り下げると述べた。
ただし、ミシガン、ネヴァダ、ウィスコンシンといった激戦州の候補者名簿から名前を外すには、もはや遅すぎると各地の選管はAP通信に話している。
ケネディー氏の撤退を受けて、ネヴァダ州ラスヴェガスで選挙運動をしていたトランプ候補は、ケネディー氏から「すてきな支持」を受けたと述べたほか、アリゾナ州グレンデイルの集会ではケネディー氏を壇上に迎え「素晴らしい」人だとたたえた。
民主党のカマラ・ハリス大統領候補は、ケネディー氏に投票するつもりだった有権者の支持を自分が獲得できるよう、努力すると述べた。
ケネディー氏の支持率は絶頂期で14~16%だったが、ハリス副大統領が民主党候補になって以来、ケネディー氏の支持率はひとケタ台で低迷していた。
他方、民主党内では党大会の盛り上がりに慢心しないよう警告する声が相次ぎ、大会中もバラク・オバマ夫妻などが口々に「激戦になる」ため投票日まで必死に戦うよう党員に呼びかけた。
ジョー・バイデン大統領が撤退して以来、ハリス候補の支持率は伸びているものの、勝敗を決めるジョージア、アリゾナ、ネヴァダ、ウィスコンシン、ペンシルヴェニア、ミシガン、ノースカロライナといった激戦州では、トランプ、ハリス両候補の支持率は拮抗(きっこう)しており、残り70日余りで情勢はさまざまに変わり得る。
BBCのサラ・スミス北米編集長が報告する。