2024年4月19日(金)

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2014年1月14日

 宇治橋前5時ごろには、大勢の参拝者が鳥居の中央に集まり始め、初日の出をカメラに収めようと列を成していた。宇治橋前の日の出時刻にあたる7時30分~8時10分ごろは雲が厚く、並んでいた人のほとんどがあきらめて参拝に行ってしまった。しかしながら8時12分ごろ、燦々と輝いた太陽の光がほんの一瞬だけ宇治橋前を明るく照らし、鳥居の真ん中からも新しい光を放った。あきらめずに待っていた人たちからは笑顔があふれていた。

 昨年1年間の伊勢神宮の参拝者数は過去最高記録を更新。2013年12月31日24時に集計した昨年の参拝者数は、内宮が884万9738人、外宮(げくう)が535万5078人で両宮合わせて1420万4816人となった(前年よりも617万3721人のプラス)。

 伊勢神宮では、3日「元始祭(げんしさい)」、7日「昭和天皇祭遙拝(ようはい)」、11日「1月11日御饌(みけ)」の祭典がそれぞれ行われる。伊勢神宮の新年の参拝時間は、1月1日~5日の22時までは終日、6日5時~22時、7日以降5時~18時。

 一方、伊勢志摩で最も高い標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)山頂付近(標高500メートル)でも初日の出を見ようと大勢の人が集まっていた。観光道路「伊勢志摩スカイライン」を運営する三重県観光開発(津市)は、大みそかから元日の19時までオールナイトで開門。同社によると、元日に同道路のゲートをくぐった自動車の台数1255台で、約3000人の人たちが初日の出を観測したという。

 日の出時刻の7時ごろご来光は、水平線から出るはずなのに、雲のベールで覆われすぐに太陽だと確認出来なかった。7時1分ごろ、うっすらと丸い輪郭が際立ち始めると、辺りがざわめきカメラを切る音が鳴り響いた。やがてオレンジ色の優しい光を放ちながら高度を上げ、雲の中に隠れてしまった。人々は「幻想的」「美しい」などとその情景を言葉に表していた。

 朝熊岳までトレッキングでやってきたという四日市市在住の姉妹・中西葉子さんと奈々さんは「(であいの広場に駐車して)朝3時30分に出発。朝熊岳道を登ってきたが真っ暗な山道に途中で(心が)折れそうになったが、5時30分ごろには無事到着できた。人生初の夜間トレッキングと初日の出観測の経験が出来て、とても感動的だった」と言葉を残した。

 「伊勢志摩スカイライン」は、2日~15日までの期間も特別に6時~19時まで開門する。

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 待ち続けた人は「何事もあきらめなければいいことがある」というありがたい教訓を知ることができたのかもしれません。初日の出を見た後のすがすがしい気持ちで参拝できれば、いいことがありそうですね。


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