ロバート・プラマー、BBCニュース
北欧ノルウェーで、道路を走っている車両のうち、電気自動車(EV)の台数がガソリン車を超えた。同国は世界有数の石油輸出国。
ノルウェー道路連盟が17日に発表した最新統計によると、登録されている自家用車280万台のうち、EVは75万4303台と、ガソリン車の75万3905台よりも多かった。
人口550万人のノルウェーは、2025年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を終了する世界初の国になる目標を掲げている。
EVの販売台数は、免税などの優遇措置を受けて大きく伸びているが、その財源の大部分は、石油やガスの輸出によってまかなわれている。
同国には、油田からの収益で積み立てられた1兆7000億ドル(約240兆6000億円)以上の政府系ファンドがあり、石油が底をついたときのための「年金基金」として機能している。
この資金源のおかげで、政府はEV購入時の消費税免除など、自動車ユーザーに環境保護に関する優遇措置を提供することが可能になっている。
EV革命の初期には、ノルウェーの環境活動家たちが、EVの普及のために同国最大のポップグループ「A-ha」の協力を得たほどだった。
だが今回の節目を迎えても、まだやるべきことがある。登録されている自動車のうち、ディーゼル車は100万台弱と依然として最も多い。ただし、その販売台数は急速に減少していると、ノルウェー道路連盟は述べている。
現在、ノルウェーで販売されている新車は10台のうち9台がEVであることが、業界のデータから明らかになっている。ノルウェー当局がどれだけEVを優遇しているかを考えれば、その理由を理解するのは難しくない。
多くの場所でEVの駐車場は無料で、ドライバーは市街地を走る通行料を支払う必要もない。
また、多くの国でEV所有者が充電設備の不足に不満を漏らしている一方で、ノルウェーの各市町村には無料の充電設備が数多くあり、首都オスロだけでも2000基が設置されている。