アメリカのドナルド・トランプ前大統領は17日、フロリダ州で15日に起きた暗殺未遂とされる事件をめぐり、ゴルフ場から逃走した容疑者を「驚異的な」女性が車で追い、それが迅速な逮捕につながったと称賛した。
共和党大統領候補のトランプ前大統領はこの夜、ミシガン州フリントで開かれたタウンホール形式のイベントに参加した。事件後に公の場に姿を見せたのは初めて。
トランプ候補は聴衆に向かい、事件当時の現場付近の様子を説明した。それによると、「車を運転していた女性が、交通量のかなり多い通りを駆けている男性を見た」という。
その後、男性は停めてあった自分の車に乗り込んだ。女性は不審に思い、「彼を追った。たいした距離ではなかった。それから彼の車の後ろに車を停め、ナンバープレートの写真を撮り始めた」という。
トランプ候補は、「まじめな話、そんなことをする人などいるだろうか?」、「彼女は本当に驚異的だ」と女性をたたえた。女性は撮った写真をすぐに当局に送ったという。
「女性は男性より賢い」とトランプ候補は言い、この女性に会いたいと付け加えた。
ライフルを手放し逃走
捜査当局などによると、この事件では、ウェストパームビーチのトランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブで、ライアン・ウェスリー・ラウス容疑者(58)がトランプ候補から約275〜460メートルの距離にいた。
茂みからライフルの銃身が突き出ているのを、シークレットサービスが発見。その方向に向けて発砲した。ゴルフのプレー中だったトランプ候補は、急いで安全な場所に移動した。容疑者はライフルを手放し、自分の車で逃走したという。
容疑者はその後、1時間もたたずに車の中にいたところを拘束されたという。
ラウス容疑者は16日、フロリダ州の裁判所に出廷し、重罪で有罪判決を受けたことのある人物による銃器所持と、シリアル番号が消された銃器所持の容疑で訴追された。今後、容疑が追加される可能性もある。
トランプ候補の暗殺を図ったとみられる事件は、この2カ月で2件目となった。
(英語記事 Trump praises 'amazing' woman who tailed golf course gunman)