プラスチック製食品保存容器の米タッパーウェア・ブランズとその子会社は17日、アメリカで連邦破産法の適用を申請した。同社は近年、赤字が膨らんでいた。
経営難に陥っているタッパーウェアは、事業売却手続きを開始する許可を裁判所に求めており、破産手続き中も事業を継続することを目指しているという。
78年の歴史を持つ同社は昨年、新たな資金を迅速に調達できなければ倒産する可能性があると予告していた。
売り上げの低迷に直面する一方で、若者を意識し、市場での位置づけの見直しを試みてきた。
ローリーアン・ゴールドマン最高経営責任者(CEO)は投資家向けの声明の中で、「我々はこの手続きを通じて、顧客に愛され信頼される高品質の製品を提供し続けるつもりだ」と述べた。
タッパーウェアの株価は今週、破産申請を計画しているとの報道後に50%以上、下落した。
タッパーウェアは低価格競争に直面する中、長年にわたって自社製品の売り上げ減を食い止めようと苦戦してきた。
新型コロナウイルスのパンデミックでは、家庭で調理する人が増えたために一時的に売り上げが急増したが、その後、需要は減少の一途をたどった。
また、原材料費の高騰や賃金の上昇、輸送コストの上昇も利益率を押し下げていた。
タッパーウェアは長年にわたり市場を独占し、食品保存容器の代名詞となった。
同社は1946年にアール・タッパー氏が創業。タッパー氏は、容器を密閉できるな柔軟な構造を開発し、特許を取得した。
1950年代から1960年代にかけては、人々が自宅で「タッパーウェア・パーティー」を開き、友人や隣人に製品を販売する「ホームパーティー商法」で有名になった。