2025年1月14日(火)

BBC News

2025年1月14日

イスラエルとイスラム組織ハマスの間で、パレスチナ・ガザ地区における停戦と人質解放の合意に向けた条件の取りまとめが最終段階に入っていると、交渉に詳しいパレスチナの関係者が13日、BBCに語った。

パレスチナ側の関係者はBBCに対し、ハマスとイスラエルの関係者が13日、同じ建物内で間接的な交渉を行っていると語った。

これに先立ち、ジョー・バイデン米大統領は、合意が「成立寸前」であり、政権としてこの問題に緊急に対応していると述べた。

バイデン大統領は12日にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と、13日には交渉の仲介役を務めるカタールのタミム・ビン・ハマド・アル・サーニ首長と、それぞれ会談した。

イスラエル側の関係者もロイター通信に対し、交渉は「最終段階」にあり、合意が「数時間、数日、あるいはそれ以上」で成立する可能性があると語った。

パレスチナ側の関係者は、BBCに合意の一部の詳細を明らかにした。その際、「詳細な技術的議論にはかなりの時間がかかった」と述べた。

関係者によると、両者は今回、合意の初日にハマスが3人の人質を解放し、その後イスラエルが人口密集地域から部隊を撤退させ始めることで一致した。

その7日後、ハマスはさらに4人の人質を解放し、イスラエルはガザ南部の避難民が北部に戻ることを許可する。その再、沿岸道路を徒歩で移動することが条件だとしている。

車、動物が引く荷車、トラックは、南北を走るサラーフ・アッディーン道路に隣接する通路を通過することが許可され、カタール・エジプトの技術的な安全チームが運営するX線装置で監視されるという。

合意には、イスラエル軍がガザとエジプトの境界沿いの「フィラデルフィア回廊」と呼ばれる戦略上の重要地帯にとどまることや、東部および北部の境界沿いに800メートルの緩衝地帯を維持することを定める条項が含まれている。この第1段階は42日間続く。

イスラエルはまた、1000人のパレスチナ人囚人を解放することに同意した。これには15年以上の刑を受けている約190人が含まれる。一方、ハマスは人質34人を解放するという。

合意の第2段階および第3段階に向けた交渉は、停戦の16日目に開始される予定だ。

イスラエル与党からは反対の声も

合意が近いとの報道が増える中、米ホワイトハウスのジェイク・サリヴァン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、合意が「今週中」に成立する可能性があると述べた。これはバイデン大統領の任期最後の週にあたる。

また、バイデン大統領がエジプトのアブドゥル・ファッターハ・アル・シーシ大統領と会談する予定だと付け加えた。

ドナルド・トランプ次期大統領の中東特使のスティーヴ・ウィトコフ氏も、カタールの首都ドーハでの交渉に出席していた。

トランプ氏は以前、1月20日の自身の就任前に人質が解放されなければ「大混乱」が起こると脅していた。

イスラエルのギデオン・サール外相は記者団に対し、交渉に進展があり、合意は「以前よりもはるかに良いものに見える」と述べた。

一方、交渉の進展をめぐっては、ネタニヤフ首相が与党連合内から激しい反対に直面している。

ネタニヤフ首相の所属するリクード党の一部を含む10人の右派議員はこのほど、停戦に反対する書簡を首相に送った。

ガザ市で空爆、死者50人超と民間防衛隊が発表

こうしたなか、ガザの民間防衛隊は、13日にガザ市で行われたイスラエルの空爆により50人以上が殺害されたと報告した。

民間防衛隊のマフムード・バッサル広報担当はAFP通信に、「学校や住宅、さらには人々の集まりまで爆撃された」と語った。

イスラエル軍は、これらの報告を調査中だとしている。またこれとは別に、ガザ地区北部で13日、イスラエル兵5人が死亡したと発表した。

ハマスは2023年10月7日に南部イスラエルを攻撃。約1200人を殺し、251人をガザに人質として連れ去った。イスラエルはこれを受け、ハマスを壊滅させるとしてにガザで軍事攻撃を開始した。

ハマスが運営するガザの保健省によると、これまでに4万6500人のパレスチナ人が殺された。

イスラエルは、94人の人質がなおガザに残っており、そのうち34人は死亡したと推定している。また、戦争前に誘拐された4人のイスラエル人のうち2人も死亡しているとしている。

(英語記事 Gaza ceasefire deal being finalised, Palestinian official tells BBC

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cm27zmkm347o


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