新たに解明される事実から
防災・減災に役立つ教訓を
「"災害ヘリ"映像は語る」は、3.11の直後から震災地の上空から、震災直後の現地を撮影した自衛隊や海上保安庁、各地の消防のヘリコプターがとらえた映像の分析である。
膨大な映像から浮かび上がる、これまで十分に明らかではなかった大震災の実態とは。仙台平野を襲った津波の第1波は、まるで湯船に人が入った時に湯があふれるように、海岸線を静かに超えていく。そして、幾手にも分かれながら、平野をさかのぼっていく。
津波の先端がふたつに割れたようにして進むなかで、ぽっかりと浮かぶような土地がみえる。この残った地面に住んでいたひとは、乗用車に飛び乗ってかろうじて生き残る。
地震学者は、平野のなかでわずか1メートルあまり高かったのが、こうした生存者が残った地面であることを明らかにする。その地域に住む人々は高台に逃れるのはもちろんであるが、常日頃から周囲の地勢を知っておくべきだというのである。
これからも大震災の解明が進むことによって、新たな事実が次々に明らかになって、防災・減災に役立つ教訓が引き出される。
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