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2014年4月3日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 軍事科学院の丁偉研究員によると、1958年に志願軍が撤退した後、朝鮮に朝鮮軍事停戦委員会所属の代表団を残し、志願軍兵士の遺骨捜索を請け負った。その後、我が国の政府はいろいろなチャンネルを通じて捜索を行い、引き渡しを促してきた。

 2011年4月に民政部(政府退職幹部や退役軍人の福利厚生担当省庁:筆者)、外交部、財務部、解放軍総政治部からのメンバーで組織された代表団が朝鮮を8日間にわたって訪問した。丁によると、この年、民政部と外交部が中心となって抗米援朝戦争を含む海外にある中国軍人の遺骨送還作業が始められたという。

青少年への国防教育という側面

 軍事科学院の褚楊助手によると、このような教育が多くなされれば青少年の国防への理解や注目を促す点において十分意義があるが、現在の国防教育の置かれた現状は憂慮すべきで、多くの青少年が盲目的にアイドルを追いかけ、オンラインゲームにはまって国の大業や国防の現状にあまり注意を払わない。そのためアメリカやロシアと比べても改善の余地が大きいという。

 「この度の志願軍烈士の遺骨歓迎は国防教育を強化する一つの重要な契機となる」。遺骨送還の意義は老兵の帰国に止まらず、若者にあの輝かしく、壮絶な歴史を理解させ、現在の平和な生活を享受できるのは戦士たちのおかげで犠牲によって平和な環境を得ることができたことを知らしめることにある。

 歴史問題を研究する人員、教育者、メディア関係者たち、そして一人一人の中国人たちはみな私たちの英雄たちのために力を出し合って英雄たちの物語を宣伝し、インターネット時代にはネットを通じて英雄たちが多くの家庭に知れ渡るようにしなければならない。「英雄は尊重されるべきであり、犠牲はみな崇高だ」。齐徳学副部長は言う。我々が英霊の帰還を迎えることは一種、信仰の回帰でもあるのだ。

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【解説】

 『解放軍報』紙のサイトで日清戦争を巡る歴史問題について取り上げ、大々的にキャンペーンが行われていることを解説したばかり(「日清戦争再発を暗示する中国の不気味な宿命論」〔3月29日記事〕)だが、これと同じぐらい大きく特設ページが設けられたのがこの特集「老兵、祖国はあなたの帰りを迎えに行きます」である。

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