2023年1月31日(火)

サイバー空間の権力論

2014年6月19日

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塚越健司 (つかごし・けんじ)

拓殖大学非常勤講師

1984年生。専攻は情報社会学、社会哲学。著書に『ハクティビズムとは何か』(ソフトバンク新書)、共編著に『「統治」を創造する』(春秋社)、など。TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』火曜ニュースクリップ担当としてレギュラー出演中(http://www.tbsradio.jp/dc/)。

ネット社会の権利をめぐるガバナンス

 忘れられる権利のように、ユーザーの求めに応じて各企業が対応していくという個人情報保護の動きは今後も活発化するだろう。他方、これまで以上にユーザーの個人情報を利用したビジネスもまた展開されていくのも事実だ。プライバシーとビジネスや利便性はどちらも必要不可欠であり、いずれかを天秤にかけるものではない。とはいえ上述の通り、EUとアメリカの政策に全体的な方向性の違いが見出されるのも事実だ。

 このように、ネット社会の権利をめぐる大国間の争いは水面下で生じている。では日本はどのような政策を取るのか。現時点では、忘れられる権利に関しては直接的にこれに該当する法はなく、周辺法の解釈によって運用される。さらに個人情報保護法はあるものの、どのような運用指針があるかもいまいち明確化されていない。

 さらに言えば、EU型かアメリカ型か、どのような方向性を日本が打ち出すかも重要な論点となる。日本という国の基本的姿勢を世界にアピールする必要があるが、その際日本が独自に打ち出せる姿勢があるかどうか、またそうでなければEU/アメリカのいずれの方向性を取るのか。ネットに対する態度表明が求められるところであろう。


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