ニック・ライナー容疑者(9月撮影)
映画「スタンド・バイ・ミー」など数々の名作で知られるアメリカの映画監督、ロブ・ライナー氏と妻ミシェル・シンガー・ライナー氏がロサンゼルスの自宅で14日に遺体で発見された事件で、カリフォルニア州ロサンゼルスの検察は16日、夫妻の息子ニック・ライナー容疑者(32)を殺人罪で訴追したと発表した。同容疑者は14日夜に逮捕されていた。
ロサンゼルス郡地方検事のネイサン・ホックマン氏は、ライナー容疑者について、複数人の殺害という特殊な状況を伴う、2件の第1級殺人罪で訴追されたと述べた。
有罪となれば、仮釈放なしの終身刑あるいは死刑が言い渡される可能性がある。ホックマン検事によると、ライナー容疑者は刑務所当局による健康診断を受けた後、正式な起訴と罪状認否のため、裁判所に連行されるという。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースが伝えたところによると、ライナー夫妻の娘ロミー氏(28)が14日、ロサンゼルスの自宅で複数の刺し傷を負った両親を発見したという。
起訴状には、ライナー容疑者がナイフを使用したという「特別な申し立て」も含まれている。
16日の記者会見でホックマン氏は、検察が死刑を求刑するかどうかについては、まだ決定がなされていないと述べた。
ライナー容疑者は、「危険かつ致命的な武器であるナイフ」を使用したとされる。
容疑者は16日遅くに、正式な訴追手続きのために出廷するとみられていた。しかし、ホックマン氏は後日改めて日程を設定すると発表した。
コメディ界の大物カール・ライナー氏を父に持つライナー監督は、「スパイナル・タップ」、「スタンド・バイ・ミー」、「恋人たちの予感」、「プリンセス・ブライド」、「ミザリー」、「ア・フュー・グッドメン」など、数々の映画をヒットさせた。
ミシェル・ライナー氏は女優、写真家、プロデューサーで、写真エージェンシー兼制作会社「ライナー・ライト」の創設者だった。
ロサンゼルス市警察(LAPD)のジム・マクドネル本部長は記者会見で、「ライナー家とその愛する人々だけでなく、この街全体にとっても、胸が張り裂ける、非常に身近に感じる事件だ」とコメント。
「この悲劇の影響を受けたすべての人々に、心から哀悼の意を表する」と述べた。
ホックマン氏は、夫妻の殺害に使用された凶器は押収されたのかとの質問には、法廷で明らかにされるだろうと答えた。
当局は、死因や死亡した経緯、死亡時刻の特定には、検死を終わらせる必要があるとしている。
(英語記事 Rob and Michele Reiner's son Nick charged with murder in parents' deaths)
