2025年12月31日(水)

田部康喜のTV読本

2025年12月31日

 日本の映像界の2025年の年納は、大ヒット映画『国宝』の東京・歌舞伎座における再上映会と、主役の吉沢亮や横浜流星ら登場俳優と李相日監督による舞台挨拶である。映画をはじめとする映像を表彰する各賞は『国宝』のひとり勝ちか。そして、26年もまた『国宝』の男優陣の活躍の年となるのだろうか。

 26年の干支(えと)は「丙午(ひのえうま)」。ひと回り前の1966年のこの干支生まれは出生率が前後の年に比べて、極端に下がった。江戸時代の大火をまねいた八百屋お七が、この干支の生まれだったという迷信が、現代までも生きて女の子が生まれるのを避けようとしたのだった。その「丙午」の女性たちが還暦を迎える。

 映像界の華である女優たちは、「映像の世紀」といわれる20世紀をまたいで活躍の場は広がっている。人生50年時代ではもうない。迷信は通じない。華の時代の年齢が広がっている。

蒔田彩珠はじめ女優たちが映像界を引っ張り続けている(『消滅世界』公式Xより)

 「子曰く四十にして惑わず(不惑)」の年を迎える、あるいは超えて活躍する女優たちと若手の女優たちが『国宝』のひとり勝ちを阻んだ25年であり、26年もまた映像界のみならず舞台も彼女たちに大きく門戸を開いている。


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