2025年12月17日(水)

BBC News

2025年12月17日

事件現場付近には殺害された学生2人の写真と多くの花が置かれていた(16日)

アメリカ・ロードアイランド州の警察は16日、同州のブラウン大学で13日に発生した銃撃事件に関連し、捜査対象となっている人物の新たな画像を公開した。捜索は4日目に入った。

事件では、黒い服を着た人物が同大学の講義室で発砲し、学生のエラ・クックさんとムハンマド・アジズ・ウムルゾコフさんを殺害した。また、9人が負傷した。

捜査当局は15日、行方を追っている人物の短い動画を複数公開した。動画は細部がほとんどわからなかったが、犯行直前に黒ずくめの人物が住宅街を歩く様子が映っていた。

当局は14日に「重要参考人」を拘束したが、その後、この人物を釈放し、容疑者の捜索を再開した。

容疑者が拘束されておらず、襲撃から数日がたっても捜索が続いている中、地元のコミュニティーでは緊張が高まっている。

14日夜には、地域の人たちのため、キャンドル集会が開かれた。

警察は16日、捜査対象者を強調した画像を公開。その人物を身長約173センチで「がっしりした体格」だと説明した。

ロードアイランド州のピーター・ネローニャ司法長官は、捜査当局が最初に拘束した人物を留置する「根拠はない」と述べ、証拠が「現在は別の方向を示している」と付け加えた。

当局は、その人物を拘束した理由を明らかにしていない。

連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は、逮捕につながる情報に対して5万ドル(約780万円)の報奨金を提供すると述べた。

プロヴィデンス警察のオスカー・ペレス本部長は16日の記者会見で、「我々は49時間目に入っている。我々は特に、この人物に手錠をかけたいと望んでいる」と述べた。

当局が16日に公開した動画には、黒いフェイスマスクを着けた人物が映っている。その人物は暗い色のジャケットとズボン、さらに黒い毛糸の帽子を着用している。

動画のうちの一つでは、その人物がフェンスのそばを歩いている。別の動画では道路を横切り、さらに別の動画では住宅街を歩いている。

ブラウン大学では、今学期の残りの対面での試験と講義がすべて中止された。

FBIのパテル長官によると、釈放された捜査対象者は、プロヴィデンス警察からの情報に基づき、ブラウン大学から約40キロ南西にあるコヴェントリーの町にあるホテルで拘束された。

その時点では、ペレス本部長は警察が他の人物を捜索しておらず、検察と協力して証拠収集を進めていると述べていた。

しかし、14日夜、当局は方針を転換し、拘束中の人物を容疑者とは見なさないと発表した。

ペレス署長は15日、警察が動機を把握しているかどうかについて言及を避けた。また、銃撃犯が特定の人物を狙ったのか、群衆に無差別に発砲したのかについても明言を避けた。

当局によると、銃撃犯は現地時間13日午後4時ごろ、ブラウン大学キャンパス東端にあるホリー工学棟の教室で発砲した。

プロヴィデンス市のブレット・スマイリー市長は、負傷者のうち1人が重体で、7人は安定した状態にあり、もう1人は退院したと述べた。

犠牲者の身元も明らかに

米大学共和党連盟はXに投稿した声明で、死亡した人物の1人がエラ・クックさんだと明らかにした。

「ブラウン大学共和党支部のエラ・クック副会長を失ったことに、我々は深い悲しみに包まれている」と声明は述べている。

「エラは、支部や仲間の学生に尽くす中で、大胆で勇敢、そして優しい心を持つ人物として知られていた」

ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は、クックさんについてXで「言葉が見つからない」と投稿した。

「彼女の家族や友人、特に両親のことを思っている。神よ、どうか彼らを祝福してください」

ウズベキスタン外務省は、同国籍のウムルゾコフさんの死に関する声明で、「この悲劇によって無実の命が失われたことは、我々全員にとって大きな損失だ」と述べた。

同国のジョナサン・ヘニック駐米大使は、「悲劇的な訃報に深い悲しみを覚える」と語った。

「ウムルゾコフさんの家族、友人、そして仲間の学生に心から哀悼の意を表し、彼の輝かしい未来を失ったことを悼む」

ウムルゾコフさんのおば、カリーナ・ガビットさんはNBCニュースに対し、ウムルゾコフさんは脳神経外科医を目指していたとし、「とても優しく、賢かった。才能ある学生向けの学校に通っていた」と語った。

(英語記事 Police release new image as hunt continues for gunman in Brown University shooting

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c5y27elqdgwo


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