2025年12月19日(金)

BBC News

2025年12月19日

連邦捜査局(FBI)が公開した容疑者の画像

アメリカ・ロードアイランド州のブラウン大学で2人が殺害され、9人が負傷した銃撃事件で、警察当局は18日、容疑者がニューハンプシャー州セーラムの倉庫で遺体で見つかったと発表した。

警察は、6日間にわたって複数の州で捜索した末に発見に至った人物について、クラウディオ・ネヴェス・ヴァレンテ容疑者(48)だと発表した。ポルトガル国籍で、25年ほど前にブラウン大学で学んでいたという。

大学があるプロヴィデンスの警察のオスカー・ペレス本部長は、映像と市民からの情報により、逃走に使われたとみられるレンタカーの店舗を突き止めたと説明。そこで、容疑者の氏名が判明したとした。

当局は、ヴァレンテ容疑者が事件の2日後、マサチューセッツ工科大学(MIT)のヌノ・F・ゴメス・ロウレイロ教授(47、原子力工学)も殺害したとみている。

ロードアイランド州のピーター・ネローナ司法長官は、容疑者の遺体とともに、かばんと銃器2点も見つかったと述べた。付近にあった車の中から押収された証拠品は、ブラウン大学の事件現場の状況と一致した。

これまでの調べでは、容疑者が自ら銃で命を絶ったとみられるという。倉庫内にどれだけの間いたのかについては、警察は見解を示せなかった。

連邦捜査局(FBI)の捜査を取り仕切るテッド・ドックス特別捜査員は、「容疑者は今夜、遺体で見つかったが、私たちの仕事は終わっていない。解明すべき疑問は数多く残されている」と述べた。

ブラウン大学のクリスティーナ・パクソン学長は、ヴァレンテ容疑者が2000年秋から2001年春まで同大学に在籍し、物理学の博士号取得を目指していたと説明した。そして、「現在は(同大学に)在籍していない」とした。

当局は、容疑者が15日、プロヴィデンスから約80キロ離れたマサチューセッツ州ブルックラインで、自宅にいたMITのロウレイロ教授を射殺したとみている。

警察によると、同教授と容疑者は1990年代後半、ポルトガルの同じ大学で学んでいたという。

当局の説明では、ブラウン大学の監視カメラ映像と目撃証言により車が特定された。そして、同じ車がロウレイロ教授殺害現場付近でも目撃されたことから、両事件の関連性が浮かんだという。

マサチューセッツ州を管轄するリア・B・フォリー連邦検事は、容疑者が「追跡機能を妨害する携帯電話を使用していた」、「痕跡を隠すことに熟達していた」と述べた。

当局はいずれの事件についても、容疑者の動機についての見解は示していない。

市民の間からは、多数の死傷者を出した銃撃事件がブラウン大学で起きた13日以降、捜査がほとんど進展していないように見えていたことへの不満の声が出ていた。

ブラウン大学の銃撃事件は、バルス&ホリー工学部棟で期末試験中に発生した。

当局は殺害された学生を、アラバマ州出身の2年生エラ・クックさん(19)、ウズベキスタン系アメリカ人の1年生ムハンマド・アジズ・ウムルゾコフさん(18)と特定している。

負傷した9人のうち6人はまだ入院している。

警察はこれまで、ロードアイランド州民に忍耐を求めてきた。17日には、黒いマスクで口を覆って大学構内を歩いている参考人の新たな映像を公開していた

FBIは、容疑者の特定、逮捕、有罪確定につながる情報に5万ドル(約780万円)の報奨金を出すとしていた。

(英語記事 Brown University shooting suspect found dead, police say

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cgjnplly8zzo


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