世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月9日

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 結局、被害妄想的な不安に突き動かされたプーチンのウクライナ政策は、彼自身が避けたいと思っていた事態を招いてしまった可能性がある。つまり、是非ともユーラシア同盟に加えたかったウクライナを失う一方、NATOは軍事同盟の様相を取り戻して防衛体制を強化し、ポーランドやバルト諸国に配備される部隊も増強されることになった。さらに、ロシアの主権と経済的影響力を保持しようとして、西側に代わり中国に依存する可能性が出てきた、と報じています。

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 プーチンのすることが、思惑通り行かず、結局は裏目々々に出ているという論説です。ロシアの勢力圏に取り込もうとしていたウクライナはロシアから離れ、NATOは強化され、ロシアの中国依存が高まってしまった、と指摘しています。

 いずれにしても、ロシアはクリミアをもう手放さないでしょう。

 そして、西側は、取り返す手段はなくても、建前上は、それを看過すわけにはいかないので、ロシアに対する制裁を行なっています。

 経済制裁は、もともと困難が予想されていたロシア経済に更なる打撃を与えることとなり、また、中国などに対するロシアの立場を弱くさせることにもなります。

 ただ、オバマ政権内では、ウクライナについて、「フィンランド化」を認める意向もあるようで、今後、東ウクライナ問題の進展とその決着ぶり如何によっては、ロシアは、ウクライナの西側志向への歯止めをも手に入れる可能性は出て来ています。

 それでは、ロシアの稼ぎ過ぎの感がありますが、アメリカがそれで良いというのならば、日本がそれに敢えて反対するほどの利害関係は無いと思っています。

 ただ、その点でロシアが稼いでも、対米、対NATO、対中、そしてロシア経済全般など、より広い意味でロシアが代償を払っていることは、この論説が指摘する通りでしょう。

[特集]ウクライナ情勢を読み解く

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