2022年7月2日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月14日

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 最近のシリアとウクライナのケースは、米国が世界のリーダーとしてのパワーを持っているかどうかに疑いを抱かしめた。しかし、シンガポールのシャングリラ会議でのヘーゲル国防長官の発言は、それを埋め合わせるだけの中身を持っていたし、また、安倍総理のスピーチは多くの国々に歓迎されるものであった。そのため、中国の代表は日米に対し強硬な反撥を示したのであろう、と述べています。

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 5月末から6月初めにかけて開かれた、シンガポールのシャングリラ会議において、中国代表・王冠中副総参謀長は「南シナ海の島々は2000年以上前に中国が発見し、管轄してきたものである」と発言したと伝えられています。中国の主張が、このように、一方的な「中華思想的」な主張であるかぎり、中国と周辺各国との関係は、今後とも冷却ないし悪化せざるを得ないでしょう。

 習近平の対外姿勢はCICAでの「アジア安保構想」によく表わされていますが、「アジアの問題はアジア人によって解決されねばならない」との主張は、つきつめれば、アジア太平洋での米国の役割を排除し、中国がその中心になるとの覇権主義の表明そのものと解釈されてもやむを得ないでしょう。かつて鄧小平が「韜光養晦」(能ある鷹は爪を隠せ)をモットーとせよ、と戒めた時代とは様子が一変しています。あるいは、「爪を隠す」時期が過ぎた、と中国指導部が判断しているということかもしれません。

 南シナ海の領有権問題については、フィリピン、ベトナムなどが提訴したか、提訴を検討している国際司法裁判所での裁定、さらに、ASEANと中国の間の行動規範の策定など、地道ではありますが、国際社会にアピールできる、法の支配という方法を追求する以外なさそうです。

[特集]南シナ海をめぐる中国とベトナムの衝突

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