2026年7月15日(水)

プーチンのロシア

2026年7月15日

 ロシアではEVは依然としてガソリン車の1.5~2倍程度の価格であり、高金利になるほど月々の返済負担が大きくなる。ローン依存度が高い商品ほど、高金利の影響を受けやすいわけだ。

 なお、EVの中でも、ロシアで比較的売れているのはバッテリ式電気自動車(BEV)ではなく、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)である。上述のようなロシアの自然・インフラを考えると、それも頷ける。ロシアでは、急速充電網が欧州や中国ほど整っておらず、長距離移動や寒冷地走行が多いことから航続距離不安が強い。

 それでも、都市部では電気だけで走れるメリットがあり、ガソリン不足時に「保険」にもなる。このためロシアでは、中国製を中心とするPHEVや、レンジエクステンダーSUV(基本的にはEVだが、小型のガソリンエンジンを発電専用に積んでいるSUV)が、売れ筋のEVとなっているのだ。燃料不安でありながら、充電インフラが未整備というロシアの現状では、純EVよりもPHEVの方が合理的な選択肢になりやすく、実際に多少なりとも売れているのは後者なのである。

ガソリンパニックで注目は高まる

 このように、ガソリン車が圧倒的に優位なロシアにおいても、今年に入ってから風向きが変わってきた。ロシアのアフトスタットという調査会社の集計によれば、燃料・動力タイプ別の乗用車販売台数は、表のようになっている。

 大不振だった昨年からの反動で、あらゆるセグメントが伸びてはいるが、ガソリンのハイブリッド車が前年同期比2倍以上の急増を示している。上述のとおり、その大部分はプラグイン型であると考えられる。

 まだまだ絶対数は少ないが、ガソリン・圧縮天然ガス(CNG)車、液化石油ガス(LPG)車、ガソリン・液化石油ガス(LPG)車など、燃料車を選ぶにしてもガソリンだけに頼らない選択も出てきている。

 6月以降、ウクライナの攻撃でガソリンパニックが起き、さすがに販売店にもEV関係の問い合わせが殺到しているという。ただ、ロシアのドライバーの多くは、まだ「様子見」の段階にあり、どのような選択肢があるのかを見極めている最中のようだ。また、多くの購入希望者はEVを家族用の「安価な2台目」として検討しているが、現実にはEVはガソリン車より総じて高いという問題がある。

 さらに、ハイブリッド車についてはリサイクル税の影響が大きいという指摘もある。現在の多くのハイブリッド車は高い係数が適用される対象となるため、輸入採算性が著しく悪化している。その結果、市場で入手できるのは旧型車か低出力モデルが中心となり、消費者の選択肢は大きく制約されているという。

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