しかし昨今、それでよいのだろうかと考えさせられる出来事が起きている。一つは2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故のような設備の老朽化に伴う問題の表出である。地中には私たちのライフラインとなる設備が埋め込まれていることをあらためて認識した人は少なくないはずだ。
大災害で感じる重要性
そしてもう一つは大規模災害の経験である。災害時のトイレ問題は食べもの確保と同様、非常に重要だ。防災計画の中にトイレを盛り込む議論や、災害時トイレについて学ぶ場も少しずつ増えてきている。「出すこと」を軽視してはいられない時代へと変わりつつあるのだ。
「出すこと」の軽視は、地球上に存在する私たち人間を含めた生物や無生物、あらゆる物質が「循環」していることを忘却することから始まっている。私たちとウンコ、そして下水道の変遷について論じた拙著『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(ちくま新書、2020年)では、「循環」という世界が忘却されていく歴史を論じている。以下では、その過程を概観してみたい。
※こちらの記事の全文は電子書籍「下水道からの警告 地下空間の声を聞け」で見ることができます。

