大戦中の米中の同盟については、首脳会談後に発表された文書にも盛り込まれた。
同盟発言だけでなく、トランプ大統領が自ら空軍基地で習主席到着を出迎えるなど、一部に過剰という指摘があるほど厚遇したのは、イランとの紛争の長期化の中で、11月初めに中間選挙を控え米中関係の安定化を図る思惑からだった。
高市早苗首相は、米中首脳会談後の9月26日、大統領と電話協議。終了後、記者団に「日米は今や最も信頼し合える同盟国だと伝えた」と説明した。
「第3国同士の発言にコメントすることはない」とも述べているが、首相にしてみれば、トランプ―習会談前にアメリカに乗り込み、大統領と、対中政策の意思疎通をした直後だけに、いささか鼻白んだろう。日本があたふたとすれば、その対米不信の高まりを期待する中国が勢いづくのは明白であるだけに、そのあたりを意識して抑制された反応にとどめた首相判断は妥当というべきだろう。
米中頭越し接近 トラウマ抱える日本
現在の東アジア情勢を見る限り、「ワシントン―北京枢軸」が日米同盟を超える存在となる事態は想定しがたい。しかし、こと米中関係に関して日本は、72年のニクソン大統領(当時)による頭越し対中接近というトラウマを抱えている。
「あさ、目が覚めてみたら、アメリカが日本に先んじて中国を承認していた」というのは、日中、米中国交正常化のはるか以前、50年代から60年代にかけての日本の歴代駐米大使の〝悪夢〟だが、それが現実のものとなったのだから、21世紀のニクソン・ショックの可能性もあながち否定できまい。
米国不信、反米に流れるということではもちろんないが、米国内の中国への感情に思いを致し、日米関係を常に健全、強固に管理する努力を怠るべきではないだろう。

