リアルスーパーの対抗策
全米最大のスーパーマーケットであるウォルマートが、アマゾンフレッシュに対抗して打ちだしたサービスが「ウォルマート・トゥ・ゴー(持ち帰りできるウォルマートの意味)」だ。
これは近隣店舗からの配送サービスのことで、一部地域では生鮮食料品の当日配送も始めている。消費者は店舗でのピックアップ(受取)も選択することができる。
ウォルマートが独自に行った調査によれば、回答者のうち55%が配達されるよりも自分で受け取りに行く方がいいと答えた。現時点では実店舗を訪れることを厭わない消費者の方が多いとウォルマートは結論付け、配送よりピックアップに力を入れる。14年3月には、アーカンソー州の本部近くで同じ「ウォルマート・トゥ・ゴー」と冠したコンビニ業態をテスト展開し、ピックアップ拠点の多様化を図っている。
となると、世界一のコンビニ企業、セブンイレブンの動きが気になるところだ。日本全国に17000店舗という膨大な拠点を既に有している。
同社に加え、イトーヨーカドー、そごう・西武など様々な業態を持つセブン&アイは、鈴木敏文会長の大号令のもと、ネットと実店舗を融合させるオムニチャネルの取り組みを模索中だ。完成すれば、ネットで注文したヨーカドーの食料品と西武の高級品をまとめてセブンイレブンで受け取ったり、自宅に送ったりできるようになる。
イトーヨーカドーのネットスーパーは「売上450億円、営業利益率4.3%に達し、拡大が見込まれる。店舗内のピックアップ、梱包作業の増員、効率化で出荷能力を上げる」(高橋信オムニチャネル推進室総括マネージャー)。配送は地場の運送業者に委託しているが、セブンイレブンにはコンビニ店員が消費者宅に弁当や総菜を届けるサービス「セブンミール」がある。「コンビニからの生鮮の配送も検討はしている」(広報部)という。
神奈川県の橋本地区では、ヨーカドーの商品をセブンイレブンで受け取る試験サービスが7月に始まった。セブン&アイが世界最大のコンビニ網をどう活用するか注目が集まっている。
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