「でも、子どもが好きなので子ども会に参加させていただいたんです」
もう私はビックリ!
ドキドキしながら電車内でそのお父さんに「すみません!」と言いながら、平謝りしました。だって、失礼なことだったんですが、子ども会に参加したんだから、当然のことのようにお子さん持ちと思い込んでいた自分の不覚に気づかせていただいたんですからね。
でもお父さん(正確には「夫さん」)は、このように続けます。
「今後も手伝いなどもしながら参加したいので、チラシを入れてくださいね」と、優しく気づかってくれました。
そんな体験から、「そうなんだよなぁ、産みたくても何らかの事情で産むことができない若い夫婦も秋津にはいるんだよなぁ」と心の底から気づきました。そして、私は「幸いにも子どもに恵まれたんだ!」と感じるようになったんです。
この体験が、連載テーマである「子縁」の「発見」になったきっかけだったんです。
「お父さん」から「おやじ」に変わるとき
子ども会には、毎回わが子も参加しながら成長していきました。
また、保育園の運動会の準備の手伝いや、小学校へ上がって放課後の学童保育に通うようになると、夏のキャンプでの集団遊びなどを楽しみながら担当し、それなりの時間をわが子と共有していったのではないかと思います。
その後に小学校のPTAの役員もやるようになり、会長の年にはお父さんたちを誘い込んで飼育小屋を新築したりもしました。子どもたちも大勢やってきて、簡単な作業やペンキ塗りなどを楽しんでいました。
だから子どもたちは、そんな「お父さんの背中」を見ながら育っていったと思います。
で、長男が小学6年のとき、友達とうちの居間で遊んでいました。
長男と友達との会話が聞くとはなく聞こえてきます。
「……そんで、うちのおやじがさあ……」と、息子が「おやじ」と友達に言ってるんです。「チラッ」と私の方に目を向けて反応をみている様子で。