2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月24日

 また、米国政府は、ロシアのウクライナ侵略に対する米国の反応を、アジアの同盟諸国が注視していることを忘れてはならない。米国への信頼性は、シリアでの対応の結果低下している。

 最後に、オバマ政権は、新自由主義の強化にもっと力を尽くすべきで、TPPとTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)を推進すべきである、と述べています。

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 「中ロ同盟」を恐れることはないとの結論は、その通りでしょう。

 中ロ関係は、強固な同盟というより、便宜的な連携と見るべきです。中ロ間には利益が相反する面があり、さらに、ロシアは中国のジュニア・パートナーになることに抵抗感もあります。したがって、ロシアは、今は中国との関係を改善する方向にありますが、たとえ中ロ連携が強化されても、危機感を持つ必要があるほどにはならないと判断できます。

 プーチン政権は反欧米政権ですが、西側の経済制裁下にあります。プーチン政権を追い込み、弱体化させ、ロシア人の多くに、欧米と協調していくことがやはりロシアの利益になる、と納得させるべきです。プーチン政権と妥協するよりも、東部ウクライナ情勢の如何によっては制裁強化を考慮すべきでしょう。ロシア人は、今は徹底的に反欧米のプーチン政権を支持していますが、経済苦境が深まると、プーチンのやり方に疑問を持つようになる可能性があります。これが中ロ連携にも影響を与えるでしょう。

 そして、印ロ関係が中ロ関係の緊密化のブレーキになるとの、グリーンの観察は、適切な観察であると思います。

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