2023年1月30日(月)

対談

2014年10月3日

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木下:根拠のある数字がほしい、と。

飯田:そうなんです。素人目にも明らかに大きいのですが、だったら「標準的なホタテよりも身の大きさが平均●倍」など、そういうものがほしい。

木下:「××成分含有量が×倍!」とかですね。

飯田:「個人の感想です」では勝負できないんですよね(笑)。来春には食品の機能性表示ができるようになりますから大きなチャンスでもある。「景色がいい」とか「海がきれい」も同じです。例えば「本州沿岸における海洋透明度が△年連続1位」とか、そういうものが必要なんですよね。

 山形県鶴岡市の加茂水族館が「クラゲドリーム館」という施設を作って人気を博していますよね。イルカやアシカじゃなくてクラゲに特化したら、商圏が「日本」になった。「山形県で一番大きな水族館」を冠にしても、全国からはおろか東北地方から人を集めるのも難しいでしょう。秋田県には男鹿水族館があるし、新潟県は一時期財政力がありましたから、いろいろな「日本海側で一番大きい」がありかねない。

B級焼きそばとゆるキャラに未来はない

木下:地方が生き残る道は大きさでも総合力でもないんですよね。地方活性化で必要なのはまさに「絞り込み」で、我々は「ピンホールマーケティング」と呼んでいるんですけど、針の穴ほどの狭いところに通すような思い切った絞り込みができるかどうかで、命運が分かれてしまいます。

 でも、これは過去を引きずった逃げ切り可能な層にはなかなか選択できない方法なんです。どうしても絞り込みはせず、どこにでもあるような多目的施設を作ってしまったり、はたまた単に規模感で勝負したがったりする。どの地方も「ひとつ」に絞り込みをかけられれば、日本全体で見ても多様性のある地方が形成されるはずなのですが、そうはならない。

飯田:大きさで勝負したら、東京、大阪、もしくは名古屋にあるものに負けてしまう。

木下:もともといる人、来る人数が違いますからね。3大都市の施設なら、大きくするだけのベースがそこにはある。

飯田:大きくしたことによってさらに客数も増えますからね。でも加茂水族館が昔のままの一般的な水族館のままで規模を倍にしても、客数が倍になることはないでしょう。なぜなら商圏規模が大きくなるわけではなくて、県内という枠は広がらない。

木下:興味を持ってくれるお客さんに合わせたキャパシティにすべきなんですよね。

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