Wedge REPORT

2014年10月4日

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警戒レベル2は火口周辺半径1kmの規制

 さらに、9月16日にも、気象庁は速報を出している。

 「御嶽山では、9月10日、11日に剣ヶ峰山頂付近の火山性地震が50回を超え、地震回数の多い状態となっていました。12日以降はやや多い状態で推移しています。地震の振幅はいずれも小さく、火山性微動は発生していません。噴煙の状況および地殻変動に特段の変化は見られていません。(中略)御嶽山では、2007年にごく小規模な噴火が発生した79-7火口内及びその近傍に影響する程度の火山灰等の噴出の可能性がありますので、引き続き警戒してください。地震活動が活発になっていることから、火山活動の推移に注意してください。今後、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします」

 つまり、9月10日、11日の「地震回数の多い状態」の後も、「地震活動のやや多い状態」は27日の噴火までずっと続いていたことがわかる。

 この経緯を見れば、なぜ、気象庁は、地震活動が始まった10日の段階から、警戒レベルを2に上げなかったのか、と感じる人が多くいるだろう。

 9月10日までと、それ以降では、明らかに御嶽山の状況は違っている。それまでがレベル1ならば、それ以降は、レベル2にしておけばわかりやすかった。にもかかわらず、警戒レベルがずっと1のままでは、NHKニュースを見た人でも、「NHKは心配しすぎで結局、大丈夫だったんだ」と思ってしまうだろうし、まして、NHKニュースを見ていなかった人には、状況の変化は伝わらない。

 実際、警戒レベル2は、「火口周辺規制」で、概ね火口周辺の半径1km内への立ち入りを規制するものである。そうしておけば、多くの命が助かっていたのではないか、と思ってしまうのも無理はない。

 ではなぜ、気象庁は、警戒レベルを、ずっと1の「平常」のままにしていたのだろうか。

火山性地震と火山性微動は何が違うのか

 気象庁の北川貞之火山課長は噴火後の27日の記者会見で、御嶽山の噴火を巡り「事前に情報を発表できなかったという意味で予知ができなかった」、「(火山性地震の増加が)噴火の前兆との判断は難しかった」と話している。

 気象庁が火山監視のために主に観測しているのは「火山性微動」「火山性地震」「山体膨張(地殻変動)」「噴火の状況」の4つだ。噴火したことを確認してからの対応ももちろん重要だが、噴火前の警戒という意味では、基本的には最初の3つの情報を収集して判断していることになる。

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