2024年4月18日(木)

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2014年10月10日

違和感を放置すると搾取される?
まずは現場の意識改革を

 筆者自身、これまでに「飲食店」「ライブスタッフ」「配送」「飛び込み営業」「イベントコンパニオン」「電池工場」「テレフォンオペレーター」「家庭教師」などさまざまなアルバイトをし、その後会社員としてアルバイト雇用の方に指示を出す側も経験した。ブラックバイトは是正すべきだと思うが、簡単に変わらない現状も多い。

 例えば「飲食店」のアルバイト。筆者が働いていた飲食店は学生街に位置していたため、年末や歓送迎会時期は休憩なしが当たり前。「ライブスタッフ」のアルバイトでは、アンコールでライブが延長した場合の残業代は支払われなかった。いずれも「そんなバイト先辞めれば済むこと」かもしれないが、また新しくバイト先を探し直すには手間と時間もかかる。また、地方に住んでいた筆者にとっては好条件でアルバイトを募集している企業を探すのも一苦労だった。その上「辞めるのは次の人が見つかってから」と言われることも多く、ズルズルと働き続けてしまったこともあった。

 雇用する側としては、社員に任せるには人件費がかかる業務はできるだけアルバイトへ回したいところ。競合との価格競争がある業種では、そのしわ寄せがアルバイトへ行ってしまうこともあるだろう。今回の「すき家」ほどの事例まではいかないものの、繁忙期などは一時的にアルバイトへ甘えてしまうこともあるのではないだろうか。忙しすぎる現場の場合、労働法規を反しているという意識すらなかったというケースも考えられる。

 また、労働法に反していなくても「ブラック」と言われることも多い。先に挙げた2ちゃんねるスレッドでは

 「社員がどうというより派遣同士のいじめがひどい。」

 「上司で上から目線全開の奴が必ずいた」

 というコメントもあった。筆者にとって、上司が上から目線でも特に何も感じないが、人によってはブラックだと感じるようだ。

 労働法を反していた場合はすぐに改めることが必須だが、そのためには現場が「何が不法雇用にあたるか」を認識する必要がある。また、人によってブラックの基準が違うということも、ブラックバイト問題を難しくしている一因のような気もする。まずは自分がアルバイトとして働くなら、この職場環境は良いかを考えることがブラックバイトを減らす一つの方法になるのではないだろうか。

 

  
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