個人美術館ものがたり

2009年7月16日

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赤瀬川原平 (あかせがわ・げんぺい)

画家、作家

1937年、神奈川県生まれ。60年代にネオ・ダダイズムなど前衛芸術運動に参加。80年「尾辻克彦」名の『父が消えた』で芥川賞を受賞。『散歩の学校』『昭和の玉手箱』『千利休 無言の前衛』など著書多数。

 谷内六郎は59歳で亡くなった。それが寿命だったと、広美さんは実感している。ふつうの人の何十倍も仕事をしたので、終る時がきたのだと理解した。「週刊新潮」の表紙絵だけでも1300点余あるが、それも全仕事の3分の1くらいで、それ以外の仕事が膨大にあった。そして仕事の性質上、谷内六郎は絵を売るということをしなかったので、作品のほとんどが家族のもとに残されたのだ。

 没後、見たいという人々の声が自然に高まり、この横須賀の自宅に絵を並べて公開したのを皮切りに、各地での展覧会が増えていった。その延長上で、結局ご遺族が作品を横須賀市に寄贈し、横須賀美術館と共に谷内六郎館が出来たのである。大海原を前にした美術館は、谷内六郎の安息の場所となっている。

谷内六郎
(1921年~81年)

【横須賀美術館 谷内六郎館】

谷内六郎館は2007年に横須賀市の市制100年を記念して設立された横須賀美術館の別館として開館した。すぐ近くには谷内六郎が1975年に設けたアトリエ兼別宅があり、長女の広美さんによれば「家族の思い出がとても多い場所」だという。56年から81年まで「週刊新潮」の表紙を飾った作品1300点余はほぼそろっており、年4回の展示替えごとに、掲載された作品を1年分、順番に紹介している。
 

 

〈住〉神奈川県横須賀市鴨居4-1
〈電〉046(845)1211
〈開〉10時~19時(10月~5月は10時~18時)

   *6月~9月の土曜、4月29日~5月5日は10時~20時
〈休〉第1月曜(祝日の場合は開館)、12月29日~1月3日
〈料〉一般300円 高校・大学生・65歳以上200円 15歳以下無料 *企画展は別途料金

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