2022年12月3日(土)

World Energy Watch

2014年10月22日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

土地代が安い場所に投資すれば利益が増える

 再生可能エネルギーの買い取り価格は、全国どこでも同じだ。となると、採算を良くする方法の一つは、日照時間が長い土地で事業を行い発電量、収入を増やすことだ。もう一つは、投資額を下げることだ。投資額の大半を占める設備の費用は、メーカーによる差はあっても、全国ではあまり違いはないとしても、工事費、人件費と設置場所の土地代あるいは土地の賃貸料は場所により異なる筈だ。さらに、設置のためには広大な土地が必要になる。1000kWのメガソーラーと呼ばれる設備であれば、周りに日照を遮るものがない場所に20000平米程度が必要だ。

 日照に恵まれた場所は、図の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の日照マップで判断可能だ。北海道東部、東北の太平洋岸、北関東、山梨、長野、愛知、四国南部、南九州などが日照に恵まれている。この中で広大な土地が安く手に入るとなれば、人口密度から判断すると北海道東部、東北、南九州などだ。人口密度が最も少ない47位は北海道だが、福島県40位、宮崎県39位、鹿児島県36位、大分県33位だ。14年7月末現在の新規設備認定量は表の通りであり、利便性が高い関東での計画が多いものの、人口密度が相対的に低く、土地代も安い高収益が望める南九州等での事業が進んでいる。ちなみに、既に発電が開始された設備量は、認定量のうち15%にも満たない。

 さて、ここで問題が生じる。人口密度が低いということは大きな送電容量が必要とされておらず、送電線の容量もないということだ。そこに発電設備が多く作られると当然送電できない事態になることもあり得る。九州、北海道などで接続が難しくなるのは、人口密度が低い場所に設置することで収益が有利になるため事業者が特定の地区に集中したためだ。

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