Inside Russia

2014年10月24日

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 今年3月のロシアのクリミア併合以降、祖国フランスを含めた欧州連合(EU)諸国、そして米国や日本などのG7諸国とロシアとの関係に大きな亀裂が入る中で、ドマルジェリ氏は自ら先頭に立って、プーチン政権を擁護した。

 「パイプラインで結ばれた欧州はロシアの天然ガスなしで生きられないのだ」

 「どんな制裁にも反対だ。私は冷戦を望まない。新しいベルリンの壁は必要ない」

 「欧米とロシアの対立は、ロシアを中国に接近させることになる」

 欧米各政府のロシアへの態度や世論の流れに真っ向から立ち向かうその物言いに、ドマルジェリ氏本人が周囲に「私はフランスで人気を失った」と漏らすほどだった。

ロシアへの投資をひきつけたカリスマ経営者に
要人たちも死を悼む声

 しかし、ロシア国内ではドマルジェリ氏の姿勢は高く評価された。それだけに、多くの要人から死を悼む声が発せられた。

 プーチン大統領自身、フランスのオランド大統領に弔電を打った。その文面から、ロシアの国益を損なった痛恨の念が読み取れる。

 「ドマルジェリ氏は、エネルギー分野におけるロシアとフランスとの協力関係が実り多い結果になるよう尽力した。われわれは、国家の真の友人を失ったのだ」

 「口ひげ」経営者と付き合いのあったアレクセイ・クドリン前財務相もすぐに哀悼の言葉を発表した。「ドマルジェリ氏はロシアの投資収入のために多大な貢献をした。彼は外国投資をロシアに引きつけることに大きな役割を果たしたのである」

 ドミトリー・メドベージェフ首相にいたっては、事故発生の数時間前、公邸でドマルジェリ氏と面会したばかりだった。「ドマルジェリ氏はどんなに厳しい質問でも率直に自分の考えを語っていた。余人に代え難い」との声明を出した。

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