ロシアのメドベージェフ首相の公式ツイッター(@MedvedevRussia)が14日に何者かに乗っ取られた。「辞任したい。政府の活動が恥ずかしいからだ。申し訳ない」の“衝撃発言”で始めたハッカーは40分にわたり首相になりすまし、プーチン政権批判を繰り広げた。ウクライナ危機やマレーシア機撃墜事件をめぐり欧米との対立が深まる中でウィットに富む皮肉たっぷりのそのメッセージから、昨今のロシアの政治経済事情に詳しいリベラル派の知識層が犯人像として浮かび上がってくる。偽ツイートの内容は、自由な言論が封殺されたソ連時代に流行った反体制批判のアネクドートをも彷彿させる。
メドベージェフ首相のツイッター @MedvedevRussia
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新たなインターネット規制を批判
メドベージェフ首相のロシア語版アカウントのフォロワーは250万人にものぼり、ロシアでは最大規模のフォロワーを誇る。14日午前10時20分、突然の辞任告白の後、ツイートはこう続く。
「いずれにせよ、僕はフリーランスのフォトグラファーになるんだ」
このメッセージは、首相の趣味がカメラで、自ら撮影した写真をたびたびツイッター上で公開していたことにひっかけている。モスクワで作品の個展を開いたこともあるし、北方領土を訪れた際は、島の写真を撮影し、日本側のひんしゅくを買った。
そして次のツイート。
「われわれのイニシアチブにかかわらず、ネット上のフーリガンたちはパスポートによるネットアクセス認証をまったく気にしていないようだ」