Inside Russia

2014年8月15日

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 首相は最近、新たなインターネット規制を打ち出したばかり。モスクワでは街中でWiFi網が広がっていてとても便利なのだが、首相はこのWiFiを利用する際に、ユーザー個人のパスポート番号による認証を要求したのである。当然、当局の監視下に入ることを意味するが、ハッカーのメッセージからは、堂々と抜け道を見つけてみせると宣戦布告をしているようにもうかがえる。

ハッシュタグも利用してクリミア問題に言及

 メドベージェフ首相は、大統領職の連続3選禁止を定めた憲法規定に基づき、2008年から12年まで大統領を務めたことがある。当時は影の指導者であるプーチン氏が首相を務めたわけだが、2000年からのプーチン時代はメドベージェフ氏とのたすき掛けで維持されてきた。ハッカーはその二人三脚を揶揄して、シニカルにこうつぶやく

 「以前から言いたかったんだ。ボーバ! あなたは間違っている」

 ボーバは、きわめて親しい人しか呼ばないプーチン大統領の愛称である。

 「僕はね、ナバールヌイ(@navalny)のツイッターを読むのが気に入っているんだ」

 弁護士の資格を持つナバールヌイ氏はロシアの著名ブロガーで、これまでもプーチン批判の急先鋒としてネット上で自由な言論を貫き通してきた。2012年の大統領選挙前には、モスクワで盛り上がった反政権運動の主役に。首相がナバールヌイ氏に好意を抱いているなんて、反対派からすれば、これ以上の痛快なジョークがあろうか。

 膨大なツイートの情報の海から、カテゴリをつけて検索しやすくするハッシュタグ(#)を利用した偽メッセージも登場する。

 「#КрымНеНаш просьба ретвит」

 「КрымНеНаш」とは「クリミアは私たちのものではない」との意味で、3月のクリミア半島併合後、ユーザーたちがこのハッシュタグを使って、ツイッター上で反対運動を行ってきた。「#КрымНеНаш」をリツイートしてくれというのである。なかなか凝ったメッセージで、やはり犯人はネット技術に長けたインテリなのだろう。

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