生成AIが実用化されたことで、就活生が最初に企業に提出するエントリーシートの内容が均質化したという。例えば志望動機、あるいは大学生の期間に打ち込んだことなどについて、似たような文面が余りに多く、差がつけられないし、そもそもAIの利用が疑われる中では意味が薄れたという声も多い。
エントリーシートというのは、人気企業の場合は特に書類選考における「ふるい」にかけるのが目的ということから、シートを廃止して、その代わりに簡易面接などで「絞り込み」を行う企業も出てきた。
ならば、AI利用が疑われるような「典型的な書き込み」は不正行為として排除すればいい、そう考える方も多いと思う。けれども、企業の採用担当者からすれば「最初の絞り込み段階」から個性的で平均値を外れた書き込みをする人ばかりを選択する、などというリスクは取れない。
そこでAI利用が疑われても安全で優等生的な内容の場合は、その候補を次の段階に送りたがる。けれども、余りに似通った内容が多いので頭を抱えているというわけである。
このニュースを聞いて、何とも暗澹たる思いがした。まず、AI時代において、AIが簡単に「平均値」を出してくるような「理想的と思われる答案が簡単に再現可能な質問」を続けているということが驚愕である。
もちろん、企業としては反社会的な人物や、幼稚でしかないような反逆児は採用したくないであろう。それは分かる。けれども、これから採用する人材については、仮に終身雇用や年功序列が近い将来に動揺するにしても、総合職採用の場合は最低でも10年はその企業で活躍してもらうことを前提に採用しているはずだ。
ならば、2022年11月30日にChatGPTがパブリック・リリースされてから現在までの3年間に起きた変化が向こう10年でより加速するとしたら、「AI時代」を前提とした採用に切り替えなくてはならない。これは企業経営において避けて通れない問題である。
では、「AI時代の人材」とは何だろうか。3点指摘したい。
