2026年2月2日(月)

世界を揺さぶるトランプ・パワー

2026年2月2日

 最近の米国政治はまさに、「一寸先は闇」である。共和党随一の親トランプ派として知られたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員がエプスタイン文書や米国のイスラエル支援をめぐってトランプ大統領と決別して議員辞職を表明する一方、ニューヨーク市長選の最中に激しくトランプ批判をしていたゾーラン・マムダニ氏が当選後にはホワイトハウスに招かれ、友好的に大統領と会話をするなどはその象徴である。

2025年のクリスマスデコレーションでホワイトハウスに飾られたトランプ大統領の肖像画(ANNA MONEYMAKER/GETTYIMAEGS)

 関税政策に端を発する物価上昇などにより、トランプ氏の支持率が低下する中、今年の秋に控えている中間選挙では、共和党の議席減が視野に入り始めている。それでもなお、トランプ氏の熱烈な支持層であるMAGA派が支持を続けるのかが注目される。

 MAGA派の動きも重要であるが、もう一つ注目すべきなのが、ニューライト(新右翼)と呼ばれる右派のインテリ層である。知識人であるかれらは、人びとの暮らしとは別に、抽象的な思考をめぐらせる半ば浮世離れした存在である。だが、かれらの描く米国のヴィジョンはトランプ政権に確実に影響を与えており、長期的な視点からみて米国の行く末を左右している。米国の現在を考えるうえで、決して無視できない存在である。

「テック右派」のピーター・ティール氏(REX/AFLO)
「ポストリベラル」のパトリック・デニーン氏(MIDDLE EAST IMAGES VIA AFP)

 現在のニューライトは、歴史的には第3のニューライトと呼ぶことができる。第1のニューライトと呼ぶことのできる右派のインテリたちは、戦後の1950年代に登場した。かれらはフランクリン・ローズヴェルト大統領が始めたニューディール政策による連邦政府の肥大化を批判し、無神論の共産主義への反対からソ連に対する強硬路線を支持して米国の介入主義を後押しした。

 60年代から70年代にかけては、米国社会の世俗化に反発する、より若い世代の保守が登場した。反エリートで社会保守の色彩が強いかれらは、第2のニューライトを形成した。2つのニューライトは80年代、共和党のレーガン政権、そしてジョージ・H・W・ブッシュ政権を下支えし、小さな政府と自由な市場経済の米国を擁護していった。


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