ロシアとはすでに4000億ドル規模のガスが2017年から中国に供給されることが決まっているが、その後毎年380億立方メートルの天然ガスを30年供給するという関係に入る。10年に及んだ価格交渉では、やはり中国との関係を重視したロシアが妥協したと考えられている。
APEC開催前にはCCTVがロシアのプーチン大統領とインドネシアのジョコ大統領の2人をインタビューして放映したが、インドネシアのジョコ大統領は、「海上高速道路を建設するというわが国の構想は、21世紀の海上シルクロード構築を目指すという中国の考え方とマッチしている。この分野での協力は双方にとって有益だ」と応じ、海の協力関係が両国間で進むことをにおわせた。
首脳宣言の採択では、中国を抜きに進められるTPPの不協和音に反し、FTAAPの存在感が強調されたが、その裏ではこうした慌ただしい動きも見られたのだ。
日々流動する国際社会にあって、中国だけをターゲットにした地球儀外交がどれほど効力をハックするのかは、もはや語るまでもないことだろう。
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