2024年4月21日(日)

地域再生のキーワード

2014年12月29日

秋田地酒をけん引する

 そんなファンのひとりが東京で議員秘書として働く川崎晶子さん。秘書仲間の間で日本酒党として有名な川崎さんは、「天洋酒店の浅野さんの存在なしに今の秋田の酒ブームはここまで全国に広がらなかった」と見る。昔から秋田では良い酒が造られてきたが、良い酒があることと、それが全国的に認知され、売れることは別だというわけだ。

 浅野さんが惚れきっている若手の蔵元たちがいる。「NEXT FIVE(ネクスト・ファイブ)」というグループを立ち上げた5つの蔵元である。今では秋田地酒ブームのけん引役としてメディアで大モテの存在だ。

NEXT FIVEのメンバー。左から、山本友文さん(山本合名会社)、栗林直章さん(栗林酒造)、小林忠彦さん(秋田醸造)、佐藤祐輔さん(新政酒造)、渡邉康衛さん(福禄寿酒造)

 「白瀑(しらたき)」6代目の山本友文さん、「新政」8代目の佐藤祐輔さん、「ゆきの美人」3代目の小林忠彦さん、「春霞」7代目の栗林直章さん、「一白水成」16代目の渡邉康衛さんら、若手の後継者たちが集まり、今までにない新しい日本酒造りを行ってきた。

 2010年にスタート、定例の利き酒会や消費者イベント、共同醸造などのプロジェクトに一緒に取り組んできた。

 ライバルの蔵元を自分の蔵に入れることなど考えられない業界の常識を破り、共同醸造などに踏み切ったことで、「何より皆の品質レベルが上がった」と白瀑の山本さんは言う。それぞれの蔵を使って共同醸造する取り組みは5年たって一巡したが、2014年秋からは二循目が始まった。

 ネクスト・ファイブのそれぞれのメンバーもユニークな酒づくりにまい進している。

新政酒造の会議室で打ち合わせをするNEXT FIVEの皆さん

 白瀑の山本さんは東京のプロダクションに勤めていた経歴の持ち主で、新政の佐藤さんも東京大学卒業後、ライターなどを経験して家業に戻った。まったく違った業界での経験が伝統を重んじる酒造りの現場に新しい風を吹き込んだのだ。


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