2024年5月15日(水)

Wedge REPORT

2009年7月17日

 その理由の一つとして、企業や大学が実用化を志向していないのではないかと指摘する声があります。産業用ロボットで高いシェアを誇る安川電機でメカトロ技術部長などを務めた楠田喜宏氏は「二足歩行技術など、人型ロボットの開発に注力しすぎている」と指摘します。楠田氏によれば二足歩行技術を開発したところで、実生活で役に立たなければ意味がなく、海外ではいかに実用化させるかを念頭にした開発が主だということです。

 また、三菱重工業でwakamaruを開発した日浦亮太氏が「(ロボット研究開発社は)お客さんの反応を見る研究はしていない」と皮肉るように、市場化の努力が海外勢と比較して足りないという面もありそうです。

 しかし、取材を進めていくうちに見えてきたのは、日本のロボット産業の飛躍を阻むもっと高い障壁でした。これらが解決されなければ「10年後には日本はロボット後進国に転落する」(業界関係者)という危険すらあります。続編記事(7月21日公開予定)では、この点を指摘する予定ですので、ぜひお楽しみに。

■続編記事:ロボット産業の飛躍を阻む壁

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