Wedge REPORT

2015年1月20日

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実行力と全体最適

─ートヨタ自動車のカイゼンに似た仕組みに思えるが。

 トヨタのカイゼンはよく似ている。加えてトヨタが強いのは、課長クラスでも、部署にとってではなく、会社全体の最適解かどうかを問いながら仕事をすること。自分の部署だけを考えて、一生懸命頑張って部分最適な仕事をすることが全体の効率を一番落とす。

 トヨタは前工程、後行程を見て、全トヨタのために最適な行動をとるというのが自然にできる風土になっている。

─ー経営トップにしかできないことは何か。

 組織がどの方向に進むかを決めるのはトップが決めなければいけない。民主的に決めるのは意思決定として最悪。方向を決めた後は、全体最適になるよう、人材配置も決めなければならない。

 欧州に出店するときは、ドイツとイタリアに、言語能力ではなく、最も優秀な社員を一人ずつ送った。エースを送ることが全体最適であり、各部署が出すのを嫌がるこういう判断もトップがやるべき仕事といえる。

─ー後継者は育てられるものか。

 簡単に育てられるものではないが、リーダーは、基本的には、本質と先を見ることができ、リスクを取ることができればいい。簡単に言えばそれだけ。上司が気になって、言うことを気にするような、いいサラリーマンタイプはどこに行っても改革はできない。

 良品計画では、米GEの人事評価制度「ナインブロック」を原型とするファイブボックスをつくっており、潜在能力とパフォーマンスを随時把握している。潜在能力は半分素質だが、パフォーマンスは職務経歴で向上する。会社のニーズと個人のニーズを合わせた全体最適の人材配置を行うために、人材委員会という組織を置いている。

 良品計画には課長級以上が100人いるが彼らにどういうポストを経験させるかを全体最適で考えている。次代のリーダーには修羅場を経験させることが大切。

 良品計画には年功序列を考える風土すらない。上司と部下が入れ替わることも日常茶飯事だから、呼び方は「さん」付け。

 本質を考えて仕事をしていってくれる人間が一番大事で、そういう社員が会社の中枢となるように、人材委員会は動いている。

  
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◆Wedge2015年2月号より

 

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